《ファイレクシアン・コレクション/Phyrexian Collections(MTG)》
《ファイレクシアン・コレクション/Phyrexian Collections(MTG)》
《ファイレクシアン・コレクション/Phyrexian Collections(MTG)》
あれはいつの頃だったろう。

確かINVがイリーガルしたばかりだったとの記憶からMTGwikiを参照すると、恐らくはGP京都での出来事だろう。

その当時、スタンダードでは《ファイレクシアの塔/Phyrexian Tower(USG)》を皮切りに《ファイレクシアの処理装置/Phyrexian Processor(USG)》《ファイレクシアの巨像/Phyrexian Colossus(8ED)》《ファイレクシアの疫病王/Phyrexian Plaguelord(ULG)》《ファイレクシアの抹殺者/Phyrexian Negator(UDS)や《ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will(USG)》《ヨーグモスの取り引き/Yawgmoth’s Bargain(UDS)》と言ったファイレクシア旋風が大ブレイクし、彼らがもたらす災禍が吹き荒れた後で、ぶっ壊れのウルザ・ブロックに引き続いて現れたへなちょこエキスパンション群であるマスクス・ブロックの影響も手伝って、彼らの存在はスタンダードを去ってからより輝きを増したと言っても良い状況だった。彼らの残した正に伝説的な偉業。黒い栄光。

そんな中、彼は現れた。
その強さにひかれたのか、ファイレクシアと言うダークな存在に魅せられたのか理由は定かではないが、それらファイレクシア系のカードを蒐集する某と言うコレクターが存在した。
その名もファイレクシアン・コレクター。

1つの捻りも何もないストレートな通り名であるが、なんでも「ファイレクシアの名を冠したカードを無制限に高値で買い取ってくれる」と言う噂がGP京都の会場の、さらに俺達のコミュニティにだけ極局地的に伝播した。
それはまことしやかに囁かれており、当時は若く、お金が必要だった先輩は《稲妻/Lightning Bolt(M11)》に打たれたようにGP会場を駆け回り大量の《ファイレクシアの発掘者/Phyrexian Delver(INV)》と《ファイレクシアの浸透者/Phyrexian Infiltrator(INV)》を瞬く間に抽出した。
正にその時の先輩自身が《発掘者/Delver(MTG)》であり《浸透者/Infiltrator(MTG)》であったと言って良い。
そして勇躍、いざ換金!とコンタクトを取ったところで

「流石にこれに金出すんは嫌や・・・!」

と、これ以上無いほどはっきりと断られ、速やかに爆発四散した。
ファイレクシアと冠されているのに、こいつらだってファイレクシアなのに・・・と消沈した後、まぁ仕方ないかとばかりに数瞬で納得し、元気を取り戻していたのが印象的だった。

当時からユニーク(と言うかクソレア)が散見されたMTGにおいても上記の2種は紛れもないクソレアであり、こんなカードをファイレクシアの名の元に買い取ってもらおうなどと妄想を抱くのがそもそもの間違いである。塵も積もれば山、と言う諺があるが、クソレアが列を成そうが山になろうが決して高みに到達する事などないのである。

そんなエピソードを聞いていた事もあり、ファイレクシアは俺の中で独自のポジションを占めているわけだが、これだけ「ファイレクシア」を頻繁に耳にすると自分オリジナルのファイレクシア要素を夢想するようにもなる。
さらに当時は「最高幹部」と言う言葉に対応した「最低幹部」と言う概念を一般に広めようとしていた中二病だかなんだか良く分からない病気(病気と言う事ははっきりしていた)を患っていた俺は、流れるように思考を間違った方向にドライブさせ、架空のファイレクシアを生み出していった。
上記にもあるように、その頃の俺のトレンドと言えば最強よりも最弱であり、かつカードデザインと言う高尚な領域には踏み出さず、かつ絵心もなかった事から、必然的に妄想可能な領域はカード名のみとなった。
その結果生み出された黒歴史が《ファイレクシアのおちょぼ口/Phyrexian smallmouth(MTG)》と《ファイレクシアの穀潰し/Phyrexian Drone(MTG)》であり、これこそが俺のMTGにおける最弱の証明であった。これ以上に情けない名前を持ったカードは《屑嗅ぎ鼻/Offalsnout(MOR)》と《情けないのガラク/Garruk the miserable(ISD)》くらいなものである。
当時は好んで口にしていたように思うが、俺と触れ合う誰もが

「それってどう言う意味?」

と確認しなかった事実は悲しくも儚い。
恐らく心底どうでも良かったのであろう。現在の俺が同様の所作を繰り出す男に遭遇したなら迷わず同じように対処する。

これだけだと急に黒歴史を吐き出して、一体どうしたのだこいつは、と思われる事だろう。
しかし遂に俺は気がついてしまったのだ。
MTGの深遠に隠されたミッシング・リンクのその一部に。

その一部とは何か。
ズバリ《徒食者/Drone(MTG)》である。
徒食者とはつまり穀潰しであり、はからずも翻訳チームが選択した語句なのである!
そもそも「Drone」を「徒食者」と訳したのはどうなの?と言う突っ込みは最もだがここは黙認して頂きたい。この「Drone=徒食者=穀潰し」のラインを認めて頂けなくては、この話は終われないのだ。この気が付き、思いつきから初めてしまった話であるが故に。

つまり、この世界ではなくあり得た世界の中では《スパイクの穀潰し/Spike Drone(TMP)》(絵がグロい)であり《訓練する穀潰し/Training Drone(MBS)》(NEETじゃないから恥ずかしくないもん!)であり《戦慄の穀潰し/Dread Drone(ROE)》(暴力とか振るってそう)であるのだ!

もしこの世界で《ファイレクシアの徒食者/Phyrexian Drone(MTG)》が印刷されたのなら、それはすなわち俺の妄想が現実に結実した結果だとして良い。
つまりWotCはこの妄想を見抜いていた!これこそが可能性に埋もれた俺とWotCとの知られざるミッシングリンクなのである。

まぁNPHにて象徴的に完全に葬られた黒い油同様にMTGにファイレクシアが帰ってくる事はないかも知れない。
商業的に失敗した時のらせんブロックを思えば、何かの拍子に帰ってくるかも・・・と言う思いを再び持つ事も適わない。
やはり邂逅する事の適わぬ世界の出来事であろう。

・・・と、いつかの段階でここまで書いて、何かの理由で更新されなかったテキストを見つけた。
少なくともNPH発売後、それも小説のバックグラウンドが書かれている事からそれなりに経過した時点で書かれたものと思われる。
読み返すと、きっと当時は興奮した状態で書いたのだろうな・・・とは思うものの、これからこの話どうすんの?どこ行くの?と言う疑問には俺も含めて誰にも答えようがなく、どうしてこうなった。どうしてこうしてしまった・・・。とは思うがテンションのみに支えられた文章は黒歴史になる事の証明としてここに残す事とする。
願わくば第2第3の黒歴史が繰り返されない事を祈るばかりだ。

※このエントリを見た友人がその時の《ファイレクシアの発掘者/Phyrexian Delver(INV)》を持っていたので写真を送ってくれたwもっとあったかと思うが思い出補正だろうか(画像3)

コメント

おんたい
2013年3月9日22:13

まあ、仮にDrone=穀潰し案があっても、それこそ潰されたでしょうねw

《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk(M13)》が、なぜNighteagleでもないのに「鷹」じゃないのかとかwww

bun
2013年3月9日22:25

強いのに《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk(M13)》とか言われてましたしね。
流石に「鷹」は不味いとの判断か・・・。
「鷹」がダメなら穀潰しが認められるはずもなくw
bun

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索