先だってMarcelさんに教えていただいた本を読了。
色々な意味でネタばれを防ぐ意味で、ここではそもそも何を読んだのかすら伏せたい。
読後は酷く打ちのめされた気分で、暗く沈みこみ作品や作者についてどのように評価するべきなのか答えを出す事が出来なかった。
ただ、単に「楽しかった」では済まされない事は間違いない。
しかし単に残虐で、荒唐無稽なありえないと切って捨てて良い物語でもない。
作品の世界観、それらが表現される方法は確かにある種魅力的であり、リアリティに溢れ、しかし決して現実には起こらないであろう事は確実であるのに感情移入や内面化が妨げられないのには驚かされる。
奇想天外かつある意味では悪夢のように妙に現実感がないにも関わらず、一方で友人を気遣うようなありふれた感情を作中のキャラクタに抱かされる事になる。
そして、その事によって、一層打ちのめされる事になるのだ。
全体的に淡々と語られていく事からより一層題名が、その言葉が鮮明に心に残る事になる。
起こった出来事の全てを受け入れ、激昂する事も受け止める事から逃げ出す事もしなかったヒロインの、しかしただ1つの願いであったように思われる。
作品の核心部分に触れた時、真っ先に頭に浮かんだ事は
「ギュスターヴ、見なさい!
木々が花を咲かせるのは術の力ですか?
鳥が空を飛べるのは、術が使えるからですか?
術が使えなくても、あなたは人間なの。 人間なのよ、ギュスターヴ!!」
であった。(本エントリの主旨からは外れるが、サガフロンティア2は名作である。上記セリフに覚えの無い方はhttp://www.nicovideo.jp/watch/sm205735もしくは関連動画の閲覧をお勧めする。)
もしくは鬼束ちひろのMagical World(http://www.nicovideo.jp/watch/sm12111076)である。
Magical Worldは作品全体を通して相性が良いと思う。
本書は、人間がどの段階から人間なのかと言う事を問いかける。
以前ヒトの胚細胞を研究目的で使用して良いのかが議論になった時、俺は間違いなく胚細胞は人間ではなく、従って倫理的に何の問題もないのだと考えていたのだが、今やその考えはぐらつき始めている。
適切な処遇を与えられればほぼ間違いなく人間へと辿る道がある存在が、人間以外として扱われて果たして良いだろうか。
と言う事で、本書は俺を打ちのめし、俺の中に新しい疑問の芽を育て、そして去っていった。
予備知識が無い人にとっては、なんのこっちゃと言うところだろうが、ご容赦願いたい。
そして、俺に新しい経験を(例えそれが苦いものであったとしても)させて下さったMarcelさんには感謝を。
ありがとうございました。
色々な意味でネタばれを防ぐ意味で、ここではそもそも何を読んだのかすら伏せたい。
読後は酷く打ちのめされた気分で、暗く沈みこみ作品や作者についてどのように評価するべきなのか答えを出す事が出来なかった。
ただ、単に「楽しかった」では済まされない事は間違いない。
しかし単に残虐で、荒唐無稽なありえないと切って捨てて良い物語でもない。
作品の世界観、それらが表現される方法は確かにある種魅力的であり、リアリティに溢れ、しかし決して現実には起こらないであろう事は確実であるのに感情移入や内面化が妨げられないのには驚かされる。
奇想天外かつある意味では悪夢のように妙に現実感がないにも関わらず、一方で友人を気遣うようなありふれた感情を作中のキャラクタに抱かされる事になる。
そして、その事によって、一層打ちのめされる事になるのだ。
全体的に淡々と語られていく事からより一層題名が、その言葉が鮮明に心に残る事になる。
起こった出来事の全てを受け入れ、激昂する事も受け止める事から逃げ出す事もしなかったヒロインの、しかしただ1つの願いであったように思われる。
作品の核心部分に触れた時、真っ先に頭に浮かんだ事は
「ギュスターヴ、見なさい!
木々が花を咲かせるのは術の力ですか?
鳥が空を飛べるのは、術が使えるからですか?
術が使えなくても、あなたは人間なの。 人間なのよ、ギュスターヴ!!」
であった。(本エントリの主旨からは外れるが、サガフロンティア2は名作である。上記セリフに覚えの無い方はhttp://www.nicovideo.jp/watch/sm205735もしくは関連動画の閲覧をお勧めする。)
もしくは鬼束ちひろのMagical World(http://www.nicovideo.jp/watch/sm12111076)である。
Magical Worldは作品全体を通して相性が良いと思う。
本書は、人間がどの段階から人間なのかと言う事を問いかける。
以前ヒトの胚細胞を研究目的で使用して良いのかが議論になった時、俺は間違いなく胚細胞は人間ではなく、従って倫理的に何の問題もないのだと考えていたのだが、今やその考えはぐらつき始めている。
適切な処遇を与えられればほぼ間違いなく人間へと辿る道がある存在が、人間以外として扱われて果たして良いだろうか。
と言う事で、本書は俺を打ちのめし、俺の中に新しい疑問の芽を育て、そして去っていった。
予備知識が無い人にとっては、なんのこっちゃと言うところだろうが、ご容赦願いたい。
そして、俺に新しい経験を(例えそれが苦いものであったとしても)させて下さったMarcelさんには感謝を。
ありがとうございました。
コメント
読んだ直後落ちてしまうであろうことはある程度想像できたんですけれど、やはり読んで欲しいなーと思ったので勧めてしまいました。
タイトルさせ明かしてない本についてあれこれコメントするのもどうかと思いますが^^;すこしだけ
自分はとても美しい小説だと思います。
さらに、誤解を恐れずに言うならば、主人公たちの生き方をとてもうらやましいとさえ感じてしまいました。結局のところ我々の人生なんて彼らの境遇と大差ないんじゃないかと思うし、そうであるからこそあんな風に生きられたらと思ってしまうのです。あんな風に、たわいのない人生の一場面一場面が、時を経るごとにより一層かけがえのないものになっていくような生き方、というか。
人の感じ方はそれぞれなので、理解されないかもしれないというのは承知の上ですが。
火花が散るような短く凝縮された生を羨んでしまうのは、だらだらと生き延びてしまったもののエゴなんでしょうか。
きっとそうなんでしょうね。
いやー、ついつい他人のDNのコメント欄でポエムってしまいました^^;
失礼しました。
余談ですが、作者曰くあの小説はネタバレはまったく問題なしなんだそうですよ。
そんなことであの小説の本質はいっさい揺らがないと申しておるそうです。
そう言ってもねぇ・・
そうですね。俺もきれいな小説だと思いました。ヒロインがすげー淡々としているのもあるのかなと思います。
俺は作中の人物のように暮らせと言われたら毎日泣いて喚いて暮らしそうです。
多分、アルコール依存症まっしぐらでしょうね。
自分の人生に最初から目的(目標ではなく)があって、その事のためだけに生きて死ねと言われたら可能性を奪われたように感じると思います。
俺は例え妄想でも可能性を奪われるのは我慢ならんと感じますが、作中の彼らは多少反発しますが結局は潔く運命を受け入れるので、円満な人生のように感じられるのかも知れません。これも淡々と書かれているせいでしょうね。
本作は核心部分が最初から読者の目に触れるように書かれていますし、ネタばれしても問題ないかとも思いますが、Marcelさんの思いいれのある作品だと思いますし、それもあって完全に伏せる事にしました。
読んでいてSo heavy…とも思いましたが、教えていただいた事に感謝しています。
また何かしらお勧めがあれば教えていただければ嬉しく思います。