と言うわけでOLSドラフトをしていた。
いつもはピックから見てもらうのだけれど、今回はまずデッキから見てくれ。
OLS 4-3-2-2 BUr Deck

8 《沼/Swamp(UNH)》
7 《島/Island(UNH)》
2 《山/Mountain(UNH)》
1 《やせた原野/Barren Moor(ONS)》

1 《映像の造形者/Imagecrafter(ONS)》
2 《ただれたゴブリン/Festering Goblin(10E)》
2 《墓所スリヴァー/Crypt Sliver(LGN)》
1 《皮を剥ぐ者/Skinthinner(LGN)》
2 《レイヴンギルドの信徒/Raven Guild Initiate(SCG)》
1 《霧衣の壁/Mistform Wall(ONS)》
2 《霧衣のウミツバメ/Mistform Seaswift(LGN)》
2 《憑依された死者/Haunted Cadaver(ONS)》
1 《アフェットのルーン術士/Aphetto Runecaster(SCG)》
1 《秘密調査員/Covert Operative(LGN)》
1 《海辺のレインジャー/Shoreline Ranger(SCG)》
2 《よじれた嫌悪者/Twisted Abomination(TSB)》

1 《背教/Backslide(ONS)》
1 《荷降ろし/Unburden(SCG)》
1 《すがりつく不死/Clutch of Undeath(SCG)》
1 《溶岩使いの技/Lavamancer’s Skill(ONS)》

弱い。このリストを見て、そう考えられた方は正解だ。俺も弱いと思う。

黒青タッチ《溶岩使いの技/Lavamancer’s Skill(ONS)》の飛行ビート。
除去少ない=この環境の死亡フラグで、その点では失格。
《溶岩使いの技/Lavamancer’s Skill(ONS)》で嵌めパターンがあるのと《レイヴンギルドの信徒/Raven Guild Initiate(SCG)》&《皮を剥ぐ者/Skinthinner(LGN)》&《映像の造形者/Imagecrafter(ONS)》で《皮を剥ぐ者/Skinthinner(LGN)》をくるくる出来るのがこのデッキのセールスポイント。あと《霧衣のウミツバメ/Mistform Seaswift(LGN)》がスリヴァーになって《墓所スリヴァー/Crypt Sliver(LGN)》で再生出来るところとか。

でも上記の2種は全体的に悠長で、やっぱり弱めのデッキと言うのは変わらない。
今回のようなデッキは例えば基本セットなら、地上ガッチリで飛行ビートは理想の1つなので、それが出来つつアドバンテージも獲得出来るよと言う事で生存権があるかも知れないのだけど、OLS環境でそれをやろうと思うと必ずシステム生物にぶちあたって、それを打破出来ないと死ぬ事になる。
つまり除去は必須で、出来れば軽いものが良い。
基本的には《火花鍛冶/Sparksmith(ONS)》《森林守りのエルフ/Timberwatch Elf(LGN)》&挑発か、挑発&《ドラゴンの鱗/Dragon Scales(SCG)》で嵌め殺される事になる。
つまり最速で2t~3t目に除去が必要になるわけだ。

今回は《うつろう爆発/Erratic Explosion(ONS)》こそピック出来ているわけだけれど、タッチの《山/Mountain(M13)》は2枚しかデッキに入っておらず、必要になる最序盤にプレイ出来ないのでタッチはしていない。
なので、上記の条件を満たせていないこのデッキは、やっぱり弱めのデッキだと言う事になる。
まぁ今回はピックが酷すぎて、22枚カードが足りているだけでも御の字だと言う事なのだけれど。

以上を踏まえて次がピックだ。

今回のピック譜は以下。

http://sky.geocities.jp/wenmin0624/7-21-2012.html

4手目までで4色に手を出したりと波乱の幕開けだが、今回は絶対に白をプレイしたくないと言う固い信念があった。
と言うのは前回、白単兵士をピックして、OLSドラフトのつまらなさを体感したからで、絶対に赤は使いたく、出来れば赤青が望ましかった。
しかし流れには(本格的に逆らっているけど)逆らえないもの。白の強烈な流れに涙を流しつつ、2-2で《腐れざる喧嘩屋/Embalmed Brawler(LGN)》をピックしてゾンビ単を志向した時にはデッキに入るカードが両手で数えるほどもなくて愕然とし、このままではデッキにならないと言う事で急遽2-6の《霧衣のウミツバメ/Mistform Seaswift(LGN)》から青に参入し、何とか上記のデッキを作成する事に成功(?)した。

対戦結果は以下の通り。

1戦目 黒赤 ○○

弱いカードがかなり大量に入った黒赤で、Game1-2共に《レイヴンギルドの信徒/Raven Guild Initiate(SCG)》でガッチリして勝ち。
でも実を言えばGame2は《アヌーリッドの濁り水潜り/Anurid Murkdiver(ONS)》だけで負けそうになったw

2戦目 緑赤 ○○

ビーストを中心にした緑赤だがいかんせん重過ぎる。
それから相手のダメージレースが消極的過ぎて、こちらの回避が間に合って勝ち。
《にらむローガン/Glowering Rogon(LGN)》がメインに採用されているなど、昔の自分を思い出した。

3戦目 緑白 ○×○

Game1は《幸運を祈る者/Wellwisher(ONS)》で時間を稼がれるも《溶岩使いの技/Lavamancer’s Skill(ONS)》で皆殺しにして勝ち。

Game2は《怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath(LGN)》が間に合って負け。

Game3は《怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath(LGN)》を《激情の共感者/Fierce Empath(SCG)》でサーチされるも、こちらの回避が間に合って勝ち。

と言うわけで3-0。

さて。今回の勝因はどこにあったろう。
前述したように俺のデッキは弱体で、ピックはそれはそれは酷いものだった。
にも関わらず3-0が達成出来たと言う結果から考えれば、その要因が他のプレイヤーの選択にあったのは間違いない。

例えば1戦目の黒赤は明らかに俺よりもドラフトに失敗していたし、2戦目の緑赤はダメージレースを理解していなかった。

3戦目の緑白はこの環境で緑白とかシステムに触れないけれど大丈夫なのか?→大丈夫じゃなかった。

と言う事だ。

この様に、ドラフトは8人で遊ぶゲームであるから、自分ひとりのデッキがどうだったから勝っただとか、負けただとかと言う事が出来ない。
必ず他人の選択の痕跡は残るわけである。
ゆえにドラフトでは、なぜこのデッキが勝てたのかどうかを判断する事は難しい。
確かにそのデッキのメインやサイドボードは知る事が出来るだろう。
その他情報があればピック譜を残してくれているかも知れない。

ただ、そこまであったとしても情報としては半分にも満たないのではないかと考える。
ドラフトは再現性が低く、また情報も不十分である。
だからこそ感想戦が大切なのである。
対戦相手がどのような意図を持ってピックを行ったか、どのような意図を持ってデッキを構築したか。
このような事を知る事はあなたの視野を広げ、自分のデッキに対する正当な評価を下す手助けになるだろう。

今回の俺のデッキは環境に照らせば弱体であったかも知れないが、少なくとも恐らくは卓内最強ではあったのだ。

ドラフトのデッキは、それのみを単体で取り出して強いかどうかを判定する事は出来ない。なぜならそのデッキが成立した背景、卓の状況が情報として不足しているからだ。

確かにその環境に存在するプールに照らしてそのデッキが強いか弱いかを判断する事は可能だろう。
しかし、それはあくまでプールに存在するカードから構成を考え評価した結果であって、現実でそのデッキが成立した過程からはかけ離れているのだ。
今回の俺のデッキがそうであったように。

と言うわけで、例えばデッキを見て強いなーと思えば、今後のドラフトにおいての指針が1つ出来上がるわけで、そこで終わっても良いのだが、逆の場合、弱く見えるのだけれどなぜか3-0しているような場合は、その背景に卓の中で何かがあったのだと言う事を考えるべきである。

逆説的に考えれば、強いなと感じたデッキでも3-0していないような場合は、そのデッキが成立した背景。その卓で何かが起きていたのだと考えなければならない。

と言うような事は実際にリアルでドラフトに参加すれば判断が出来るような事だが、MOでそれをやろうとすると大変に苦労する。

だからリアルでの経験は大切に。

もしくはどこかのエントリで3-0したと言う結果が記されていた場合においても、本当にそのデッキが強くて、順当に3-0したのか、もしくは卓の参加者が環境を理解しておらず、デッキは弱体であったが、周りがそれ以上に弱体であったがために結果的に3-0してしまったと言う事もあるだろう。
まさに今回の俺のようなケースがそうであろうと思われる。

皆様方におかれましては、しっかりとその眼を開き、事の真贋を見極めて頂きたいと願いつつ筆をおく事にする。

コメント

Marcel
2012年7月22日7:32

なるほど。
勝った=強い、ではないのですね。

たまたま勝てた→その印象が強くて本来弱いはずのカード・戦略の評価がゆがむ、というのは自分にはよくあることだと思います。
逆もまた然り。

相手あってのマジックではあるし、一枚一枚のカードの採用基準にしても他のカードとの兼合いも含めてはじめて決まってくるものですよね。
今よりももうちょっとマクロ的な視点で見られないといけないんだなー、と実感。

bun
2012年7月22日20:44

お疲れ様です。

卓全体が弱かったor強かったと言うのは、その人のデッキだけみていたのでは分からない事ですしね。
ただ、MOではその卓がどうだったのかを知る事は難しいので、限界があると思います。

一度成功した戦略に固執してしまうと言うのは良くありますよね。
俺も思い込みから色の決め打ちに走ったりと言う事が良くあります。
~が流れてきたから、と言うのは最も良くある形で大抵失敗しますw
1-1からの流れで見切りをつけるというのは必要だと理解しながら実行するのは思ったよりも難しい事だと思います。
bun

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