それはMOのドラフト時に起こった。

当時、対戦相手の緑青タッチ赤(《扇動する集団/Instigator Gang(ISD)》&《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells(DKA)》)に対してGame1でビートを達成し、Game2でそれをやり返された我らが《イニストラードの君主、ソリン/Sorin, Lord of Innistrad(DKA)》擁する中速白単タッチ黒赤は決断の時を迫られていたのである。

次のゲームには必勝の構えで挑まなくてはならない!
しかして敵もさるもの。
磐石なマナベース。
屈強な序盤の布陣。
そこから繰り出されるボムの数々は脅威と言う他無い。

いかに《イニストラードの君主、ソリン/Sorin, Lord of Innistrad(DKA)》を擁しているとは言え、その総合的な力の差は歴然であった。

決断をせねばならない。

このままの構成で玉砕への道を歩むのか。
それとももう一つの道である《森での迷子/Lost in the Woods(DKA)》に挑むのか。

過去2戦の経験からすると、相手のデッキは生物のスペックこそ破格であるものの、青と言う色の性格上、図らずも自分のライブラリを破壊する傾向にあり、なおかつエンチャントに触る事が出来ない。
確かに《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells(DKA)》の能力でプレイヤーにダメージを与える事も可能だが、たった一人でプレイヤーを焼き払うにはかなりの枚数のスペルをプレイせねばならないだろう。

当然彼らは探すだろう。ライブラリを掘り下げて。
果たしてそれが間に合うかどうか。
俺は到底間に合わぬだろうと思った。
最速であればともかく、ライブラリの中ほどまで埋まっていれば、それで俺の勝ちなのである。

方針が決まれば後は己との戦いである。
俺の元に即座に集まったのは《森での迷子/Lost in the Woods(DKA)》以下39枚の《森/Forest(ISD)》で構成された精鋭部隊であった。
まさしく水も漏らさぬ鉄壁である。

ところで、MOのドラフトにおいては同一種類の絵柄の《森/Forest(ISD)》を39枚使用するらしく、1マリガン毎にただ《森/Forest(ISD)》のみが1枚無くなっていくのをただ見守ると言う貴重な経験を得た。

結局、6マリガン後に《森/Forest(ISD)》1枚でキープして《森/Forest(ISD)》5枚目を並べるも後続は無く、俺は敗北した・・・。
対戦相手が「運が無かったな・・・」と言うような声をかけて来たが、元々実る公算の薄い計画ではあったのだ。
悔いはない・・・。

と。これが4-3-2-2や8-4であったなら話はそこで終わりであったのだが、残念ながら、これはSwissでの出来事だったのだ。
当然、次の試合が始まる。

次の対戦相手はスペルが若干足りない感じの緑赤で、俺はランド2キープ→そのまま憤死と言う死に方をして、憤りを隠せないでいた。

こう言う時に人が選択し得る行動は一つしかない。
そう《森での迷子/Lost in the Woods(DKA)》・セカンドプランを発動する時が来たのだ。
またしても《森での迷子/Lost in the Woods(DKA)》を筆頭に精強なる39枚の《森/Forest(ISD)》がデッキを構成し、出撃。

ふと見ると対戦相手のデッキが41枚で挙動不審になるが、なんのマリガンしてしまえば先にライブラリアウトするのは対戦相手である。
《森/Forest(ISD)》7枚で構成された手札を強気にマリガンする。

1マリガン毎に1枚のペースで《森/Forest(ISD)》が減っていくものの、6マリガン後の《森/Forest(ISD)》1枚でキープし、今度は3t目に《森での迷子/Lost in the Woods(DKA)》をドローする事が出来たため、ライフを6残して勝利!

オペレーション《森での迷子/Lost in the Woods(DKA)》・セカンドプラン、大成功である!

Game3は相手の対抗戦術が予想されるため、ノーマル・ヴァージョンのデッキに即換装。とは言え、ブラフのために若干の時間的操作は行う。
《森での迷子/Lost in the Woods(DKA)》なのか、それとも正体不明の何かが飛び出してくるのか・・・。

この時の対戦相手の心情を推し量る事は出来ないが、結果的に相手のデッキは42枚(!)になっており、俺は《イニストラードの君主、ソリン/Sorin, Lord of Innistrad(DKA)》の力でGame3を支配し、そして勝利した。
オペレーション《森での迷子/Lost in the Woods(DKA)》としては、これ以上ないほどの成功だっただろう。

ところで、このオペレーション《森での迷子/Lost in the Woods(DKA)》が成功する確率はどの程度あるのだろう。
単純に考えて、マリガンを駆使して捜し求めるにしても、見ることの出来る枚数は7+6+5+4+3+2+1=28枚で、先手と考えて5t目までは生きているとして、これにさらに4を足して32枚・・・。
40枚のデッキなのだから、そのほとんどを見る事が出来ているじゃないか、と言う意見もあるのだろうが、マリガンした部分は結局元に戻すし、どの程度の期待値があるのか正直よく分からない。
そもそもの計画がまじめな物ではないので、きちんと計算してみようと言う気にもなかなかならないわけである。

どうか最終戦は《森での迷子/Lost in the Woods(DKA)》に頼らなくても勝てそうな相手とマッチアップしますように・・・。

※追記
最終戦は相手が青赤で、2Gameとも《イニストラードの君主、ソリン/Sorin, Lord of Innistrad(DKA)》で勝ちw
飛行から守りやすい構成にしておいて良かった。
惜しむらくはtix的な価値が下がった後だって事だな。

コメント

さわけん
2012年3月21日21:52

4割
マリガンは4枚になったらしない事を前提にして

bun
2012年3月21日22:10

今回の場合はそっからまだ先を目指す事になるから何割増しかにはなるのだろうから、そこまで酷い賭けじゃないのだね。

マンダム/闇の腹心
2012年3月21日22:16

オペレーション《森での迷子/Lost in the Woods(DKA)》
>盛大に笑いましたwww

ペンティーノ
2012年3月21日23:10

4割なのかー
相手に対処手段がなければたいてい勝てるくらいの確率だと思ってたw
弱者の戦術なんですね、こないだデッキが信じられずに迷子に頼って負けたこと後悔orz

nophoto
ペレルマン
2012年3月22日0:15

57.5%ですね。

6回マリガンしても迷子が見つからない確率:((40-1)!/(40-8)!)/(40^7)=0.473
初期手札1枚から4枚ドローしても迷子が引けない確率:(39-4)/39=0.897
両者を掛けて:0.425
それを1から引くと:0.575

bun
2012年3月22日22:28

>マンダムさん
WotCみたいなかっこいい略字の名前を付けたかったのですが、適切なものがなかったのですw

>ペンさん
実際には50%を越えるみたいだから、それをどう考えるかになるとは思う。
でも、プレイが介在する余地がないし、対応されたら即死するわけだから弱者の戦術だとは思うよw
頼らなくても良いならそっちのが良いよね。

>ペレルマンさん
ごめんなさい!
実は前提条件に間違いがあって《森での迷子/Lost in the Woods(DKA)》は5マナだから、合計で6枚必要で、だから初手を1枚からと仮定すると5枚ドローする事になるんだ。
だから相手の妨害がないと仮定して、作戦が6t目に成功する確率は6割くらいになるんだね。
サンクス!
bun

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索