縫合の僧侶はNPHに収録された白のコモンである。
能力は以下の通り。
縫合の僧侶/Suture Priest (ほうごうのそうりょ)
(1)(白)
タイプ クリーチャー — クレリック(Cleric)
テキスト 他のクリーチャーがあなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたは1点のライフを得てもよい。

いずれかのクリーチャーがいずれかの対戦相手のコントロール下で戦場に出るたび、あなたは「そのプレイヤーは1点のライフを失う」ことを選んでもよい。


クリーチャーが場に出た時の能力は「~しても良い」と書かれているので、ライフを得るor失う言を宣言しなければならない・・・と言う定型文はさておいて、この新顔が使用に耐えるのかどうかを考えて行こう。

まず、この縫合の僧侶に良く似たゼンディカー産の《血の求道者/Blood Seeker(ZEN)》と比較すると、色や種族シナジー(ゼンディカーの吸血鬼には、吸血鬼の数を数えたり、相手のライフを10以下にする事で強化されるカードが多数ある)を別にすれば上位互換なのであり、もう一つの能力である1点ゲインを考えれば十分採用に値する。
前回のミラディンほどではないが、回避能力を付けたり、P/Tを強化する装備品には事欠かないのでさらなる活躍が期待できるだろう。

この縫合の僧侶のように「~するたび~する」系の能力は、その呪文コストが軽ければ軽いほど、もしくは「~するたび」の部分が発生しやすいほど効力を発揮する。
例えば、上記のように「クリーチャーが場に出るたび」や「土地が置かれるたび」などは、特にリミテッドにおける基本的な行動であるため、トリガーしやすい。
縫合の僧侶のようにキャスティング・コストが2マナと軽いものであれば尚更その利用価値は増す。
相手がクリーチャーをキャストすると、相手はライフルーズし、こちらがクリーチャーをキャストすると、こちらはライフゲインする。
どちらがダメージレースを優勢に進めているかなどと言うのは、火を見るよりも明らかである。

上記理由によって、縫合の僧侶はリミテッドにおいて十分に採用する価値があると思われるが、問題は環境に蔓延する1点ダメージソース群である。
《火膨れ杖のシャーマン/Blisterstick Shaman(MBS)》を筆頭に
《煙霧吐き/Fume Spitter(SOM)》
《感染の賦活/Instill Infection(SOM)》
《悪性の傷/Virulent Wound(MBS)》
《堕落の三角護符/Trigon of Corruption(SOM)》
《ヴィダルケンの解剖学者/Vedalken Anatomist(MBS)》
etc・・・

今回の新顔である《髄掘り/Pith Driller(NPH)》《はらわた撃ち/Gut Shot(NPH)》《堕ちたる鉄術士/Fallen Ferromancer(NPH)》などもそうで、生き残りを素直に許してくれるとはあまり思われない。
一応、防御手段としては《使徒の祝福/Apostle’s Blessing(NPH)》や《倒れし者の記憶/Remember the Fallen(NPH)》での回収があるが・・・まぁ2マナ帯のコモンに多くを求めすぎると言うのも酷な話ではある。

最も効率よく運用できそうなデッキタイプは、白青の飛行ビートか白黒のビートダウンデッキで、もし金属術が達成できていれば《冷たき集いの吸血鬼/Bleak Coven Vampires(SOM)》が相手を打ちのめすだろう。
そうでなくても、ドラフトを見る限りでも後手を選択するプレイヤーが多くいたので、序盤での攻防から最後の数点を詰めていくのに有利に作用する。
同様にファイレクシアマナをあてにしてデッキを構築したプレイヤーもそれなりの代償を払う事になるだろう。

まだプレリリースの段階で、数回しかこいつをプレイした事はないが、早くも僕のお気に入りである。
白には他にも《磁器の軍団兵/Porcelain Legionnaire(NPH)》や《倒れし者の記憶/Remember the Fallen(NPH)》《強制された崇拝/Forced Worship(NPH)》と言う目を引くコモンが存在するので、固め取りが出来そうなのもまた魅力である。
もちろん目を引くコモンがあると言う事は、他者と競合する可能性が高いと言う事でもあるのだが・・・。

どうか、《縫合の僧侶/Suture Priest(NPH)》の加護で、貴方に勝利が齎されますように。

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bun

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