先日、LSVのピックと構築を見て、こんな歪なマナカーブで大丈夫なんだろうか?と言う疑問があったのだが、色々教えて頂いたり、実践したりして納得した。

MBS参入後、感染は2マナ帯の減少及び性能劣化によって若干低速に。
金属術は、対アーティファクトスペルの増量によって、もしくは各種マナマイアや《嵌め乗りの滑空者/Snapsail Glider(SOM)》《金属の駿馬/Chrome Steed(SOM)》《ガルマの保護者/Ghalma’s Warden(SOM)》と言った中核的生物が確保し辛くなる事で、やはり若干の低速化が見られると言われている。

その様な状況にあって、環境への適応を目指すとするならば、対戦相手より若干速度で劣ろうとも、よりアドバンテージを獲得する方向に進むのは自然な事だと言える。
それを推し進めたものがLSVが構築した黒緑恐竜だと思われる。
あの歪そのものであるマナカーブも、今回初めて登場してきたものでもない。

例えばM11環境下での緑青タッチ赤or黒デッキであったり、アラーラブロックでの5色デッキがそれにあたる。
それぞれ《耕作/Cultivate(M11)》《森のレインジャー/Sylvan Ranger(M11)》《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves(M11)》を駆使したり、《オベリスク/Obelisk(CON)》《天球儀/Armillary Sphere(CON)》各種基本地形サイクリングを駆使した「デッキの半分がマナベースで、後半はファッティ連打」と言う戦略を選択していた。
特にアラーラブロックにおいては各種《圧倒する/Resounding(ALA)》シリーズがサイクリングできるようになってからゲームが始まるのだという勢いで、そのサイクリングコストは何と8!
その分、それを支えるだけのマナフィックスは大量に存在したし、アドバンテージカードもあったのだ。
それを考えると、ミラディン環境には各種マナマイアが存在し、上記の戦略を選択するための下地がある事は間違いない。

さらにMBS参入後、有色の生物の質が向上した事で、感染でも金属術でもないデッキを選択する事の優位性も存在する。
金属術デッキは、SoMでデッキを完成させるべく除去などよりもアーティファクトを優先する場合もあるだろうし、感染は《腐食獣/Molder Beast(SOM)》や《最上位のティラナックス/Alpha Tyrranax(SOM)》などの非感染生物を重要視しない。
そのような生態的ニッチを埋める形で、デッキ構築を行う事が出来ると言うメリットが恐竜デッキには存在する。

もちろん、MBS後の環境が、アラーラブロック並みにスローかと言うとそんな事はないだろうし、各種マナマイアはその死亡率の高さから信頼できるマナソースとは言えないだろう。
しかし、MOドラフトのような環境においては、現状では、例えば感染であっても後手を選択するような世の中である。その中にあっては、6マナ帯が5枚入るような構築も許容され得るのだろう。

ただ、これが支配的な戦略になるかと言うと恐らくそうではないだろう。
恐竜戦略が選好されるような環境では、金属術プレイヤーや感染プレイヤーは減り、より強力な金属術や感染が組まれる事になる。
そうなると環境は以前のように早くなるだろうし、そうなれば極端な構築が許されるはずはない。

だが、明らかにニッチの戦略にあっては優位性があり、それでも支配的な戦略にならないと言う事が恐竜デッキのうまみだと言う事が出来る。
恐竜デッキのプレイヤーは、金属術デッキや感染デッキプレイヤーより自由に生物やスペルを選択できる。
これはピック段階において、より決断を先延ばしでき、より柔軟に対応できると言う事であり、そのメリットは大きい。
最初は感染を目指そうとして、もしそれが適わないならば《ファングレンの匪賊/Fangren Marauder(MBS)》に逃げれば良いだけだからだ。

この戦略が、次のセットが入るまで成立するかどうかは分からない。
デッキの構成上、当然早めのデッキは厳しい訳で、赤白系に《震盪の稲妻/Concussive Bolt(MBS)》が積極的に採用されはじめるとかなり厳しそうだし、同様に青系の《水銀の噴出/Quicksilver Geyser(MBS)》もかなり突き刺さりそうではある。
デッキ構成が重いと言う事は、それだけで重大な弱点なのであり、その点には注意が必要だろう。

個人的にはM11では緑青愛好家であったし、アラーラブロックでは好んで5色を選択していた。
と言う事はミラディン環境下で恐竜を選択しない理由は無い様に思える。

と言う事で、しばらく恐竜で遊ぶかも。
でも感染もかなり好きだし、青黒コントロールも好きなので、結局その場の流れ次第になりそう。

色々示唆を与えて頂いた方々には感謝を。

コメント

listener
2011年4月19日10:24

>《震盪の稲妻》《水銀の噴出》
どちらもぶっ刺さります(⌒_⌒;)
タフネス5を突破できずに相手が立ち往生することが前提なので
その前提が崩れると厳しいです。

赤白青で組まれたデッキに対して
《ファングレンの匪賊》が強すぎることが恐竜の強みですが
匪賊への回答が見つかってしまうと本格的に終了だと思います。

bun
2011年4月19日11:00

こんにちは。
僕もMMMドラフトの時には緑青フリークで《ファングレンの匪賊/Fangren Marauder(MBS)》はなんて素晴らしいのだろうと思って(今でも思っていますが)よく《震盪の稲妻/Concussive Bolt(MBS)》に倒されました。
金属術を達成している=何体かの生物はいるだろうと言う事で、軽く2桁くらいくらうので死んじゃいますよね。

しかし《震盪の稲妻/Concussive Bolt(MBS)》にしろ《水銀の噴出/Quicksilver Geyser(MBS)》にしろきちんと軽めの除去で盤面を整理出来ていれば良い訳なので、きちんと組まれた恐竜デッキにはやはり厳しいかも知れません。
bun

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