先日、ミラディンの傷跡のイベントデッキの片方である青黒感染を購入して、遊んでいる。
そのままFNMに持ち込んでも戦えるとの触れ込み通りに、プレイしやすくまたそこそこ戦える内容ではある。

たかが構築済みと侮ってかかると、案外《屍百足/Necropede(SOM)》が嫌らしくまた4枚採用されている《堕落した良心/Corrupted Conscience(MBS)》が厄介でうっかりしていると《伝染病の留め金/Contagion Clasp(SOM)》や《ファイレクシアの槽母/Phyrexian Vatmother(MBS)》と合わせて殴り切れてしまう。
その後の発展性も大いにあり《伝染病の留め金/Contagion Clasp(SOM)》を利用した増殖にスライドしていくと《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas(MBS)》が入った青黒茶になるだろうし、黒単感染にしても良い。
感染を廃して青黒コントロールにするのも良いだろう。
初期バージョンは動かしやすいテーマデッキで、その後の発展性も十分ある良い構築済みであると評価できる。

ただ、同梱されている20面体のダイスには、ちょっと首肯しかねる部分がある。
問題が20面体のダイスそのものにあるのではない。
同梱されているイベントデッキに《ジュワー島の隠れ家/Jwar Isle Refuge(ZEN)》が採用されている事に問題があるのだ。

そう。ライフゲインである。
青黒感染のイベントデッキには、1ターン目のアクションが《定業/Preordain(M11)》しか用意されておらず、《ジュワー島の隠れ家/Jwar Isle Refuge(ZEN)》のデメリットであるタップインを加味すると、かなりの頻度で1ターン目に《ジュワー島の隠れ家/Jwar Isle Refuge(ZEN)》をプレイする事になる。
その時、当然プレイヤーのライフは20であるだろうし、そうするといきなりライフが計測可能な値を越えてしまうのだ。

このような事態を回避するためには、《ジュワー島の隠れ家/Jwar Isle Refuge(ZEN)》ではなくて《進化する未開地/Evolving Wilds(ROE)》を採用するなりすれば良いような気もするが、折角《予感/Foresee(M11)》でボトムに送った不要牌をまた混ぜるのかと言う事になり問題になるのかも知れない。
また、初心者がプレイする事を前提として考えると、フェッチしてくる基本地形を間違えたり、《定業/Preordain(M11)》をプレイした後に必要なカードがあるのに《進化する未開地/Evolving Wilds(ROE)》を起動してしまったりと言ったミスを無くす必要があるのかも知れない。
何かを選ぶと言う事はミスの元であり、そもそもの選択肢が無ければミスは発生し得ない。
プレイが難しすぎないと言うのも、初心者に勧めるデッキとしては重要な要素だ。

だが、僕が最初にイベントデッキをプレイして感じた事は、あっさりと計測不能な値に突入していくライフと、そのライフを管理しきれないダイスに対する苛立ちではあったのだ。

もしかするとWotCはあえて20面体ダイスを用意する事で、20面体ダイスではライフを管理し切れないケースがある事を身をもって経験させ、より柔軟性がありライフの推移も管理できるメモ紙でのライフ管理を遠まわしに促がしているのかも知れない。
僕自身は、ダイスはMTGに関わるプライズの中で2番目に好きな道具であり(1番はブッちぎりでスリーブで3番はプレイマット)特に6面体ダイスには名状し難い魅力を感じるのだが、記録媒体としては数値の推移が明確に表せない事に加えて、何かの拍子に転がってしまった場合、意図せず元の数字から変化してしまうと言う不完全さがある。
もちろん、メモを取る場合にしても何かの拍子に燃えてしまったら元の数字が何であるかは分からなくなってしまう訳だが、そんなケースはうっかりダイスが転がってしまう頻度と比較すれば圧倒的に少ないだろう。
過去を振り返ればミラージュブロック構築時に、プロスブルームのコンボ中にマナを記憶しておくためにダイスを使用していたが、上記理由もあってメモを取るように代わって行ったと言う事もあったようだ。

とは言え、ミラディンブロックのドラフトで散見される-1カウンターや蓄積カウンターをダイスやトークン以外で、つまりはメモを取って管理すると言うのは非常に煩雑かつ分かり難い所作なのであって、要するに適材適所で厳密性や推移が重要視されるものはメモを、そうでない簡単なものはダイスなどで良いのではないかと思う。

と言う訳でライフの管理を20面体ダイスでやるって言うのを初心者に勧めたいイベントデッキでやるのってどうなのよ?と言う話でした。
個人的には20面体ダイスも好きなんだけど、いかんせんライフの推移が見られないと言うのは記録媒体としては致命的かなーと思ったり。
対戦相手とのライフの食い違いが有った時に、メモを取っていればどの段階で食い違いがあったのか分かるのでメモの方が良いと思う。
でも、構築済みにデッキだけじゃなくて、ゲームに必要な物も入っていると言うのは親切だし豪華感もあるので難しいところ。
そう言うのを考えるとLycéeの構築済みはデッキケースにプラスしてスリーブまで付いてくると言う結構なものだったな・・・と言い出すと話が脇道にそれて行くのでこれまで。

結局、君はダイスを使ってもいいし、使わなくてもいい。
でもMTGはコミュニケーションのゲームだから紛糾の種は少ない方が良いよねと言うお話でした。

コメント

re-giant
2011年3月29日23:46

ただでさえ20面体って転がりやすいですしね。
10面体が2個あれば100点まで数えられるので便利。
でもやっぱり最良はメモ用紙に自分と相手のライフを記載でしょうか。

四日市
2011年3月30日0:22

こんばんは。

自分もダイスは色々使ってますね。20面数個と6面がデッキケース一杯にw
最近PWやら毒やら-1/-1やら+1/+1やら蓄積カウンターやらで大活躍ですね。
自分の持ってる20面体ダイスは、プレミアムデッキ付属の物なのですが、見た目よりは転がりにくく、硬いテーブル等の上ならばうっかり転がることもほとんど無いように思いますね。
逆に、転がりにくいので、無作為や先行後攻の決定には使えないと思うほどです。

>>ライフ20以上
きっと遠まわしに「1個じゃ20までしか数えられないだろ?2個目を買うんだ!」と言ってるに違いない(笑

D
2011年3月30日21:29

こんばんは、20面体ダイスなんですが目を出す際に余りにも急にピタッと止まってしまうので高い数字が出た際意図的に出しているみたいな怪しい雰囲気を醸し出すんですよね。

また構築済みデッキのライフカウンター用の20面ダイスは、ランダマイザーとして目を出すには不向きな仕様の物も有ります。

from the vaultシリーズに同梱されているものは一方の面に似た数字が偏っている仕様になっています。これはライフカウンターとして使う際ライフの推移を分かりやすくする目を見つけやすくする為の仕様です。

20→19→18→17→16とダイスを横に回転させるだけでドンドン小さい数字が表示出来るようになってます。

今回bunさんの購入された構築済みに同梱されているダイスがftvと同じ仕様かどうかはわかりませんが今一度確認された方が良いかもしれません。

同じ仕様の場合

ゲームの先攻後攻を20面ダイスで決めて→そのままライフカウンターとして使うというのが出来なくなるかもしれません。

D
2011年3月30日21:39

連コメすいません。

ダイスの仕様を上手く説明出来たか自信がないので写真を撮りました。自分の最新日記にUPしたので良かったらご確認下さい。

bun
2011年3月31日1:08

こんばんは。

>re-giantさん
確かに複数個活用すれば融通無碍ですね。
ただ、ライフの推移を残すと言うのはやっぱり出来かねるので、最終的にはメモするのが良さそうな感じです。

>四日市さん
(゚∀゚)人(゚∀゚)ナカーマ
僕も大会に行く時はダイス用の箱にガシャガシャのギシギシです。
良く忘れますがw
転がり具合ですが、僕のはころころと良く転がります。
使用環境の違いですかね。

>2個目
さすがWotC商売根性逞し過ぎるw

>Dさん
おお。情報感謝です。
確かに目が偏ってますね。そもそもの用途がライフカウンターなので、当然ライフを追いやすいように作ってあるようで。
今まではダイスだから何でも良いだろうと思って20面体を転がしていましたが、それだとダメなのかも。
こちらの意図がどうであれ、李下に冠を正さずで行こうと思います。
bun

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