公式よりドラフトのピック譜
2010年8月19日 TCG全般 コメント (8)以下リンクは公式よりワタナベさんによるドラフトピック譜の第2回。
http://mtg-jp.com/reading/combos/006724/
前回、1-1《リリアナの死霊/Liliana’s Specter(M11)》>《平和な心/Pacifism(M11)》と僕の感覚からすると、割と衝撃的なファーストピックから。
今回は、その続きであり、3-1からピックの最後までと、試合結果について。
さらには対戦後にデッキ内容の反省が述べられている。
前回記事には、予てより公式にはこの様な記事を期待していた僕は狂喜乱舞し、2回目を心待ちにしていたのだが、その後のお盆休みとそれに続く仕事とで、完全に放置してしまっていた。
と言う事で、話題としてはフレッシュではなく、既に諸氏においては答えが出ている話かも知れない。
前回記事での1-1は、M11環境初期における、ベクトルがややシールドに向いた状況においては、なお一層衝撃的であった。
《平和な心/Pacifism(M11)》と言う過去実績のある優良除去 VS 新作アドバンテージ内蔵生物の構図である。
それから、さらなるシールド、及び数回のドラフト経験を経ても、単体評価としての《リリアナの死霊/Liliana’s Specter(M11)》>《平和な心/Pacifism(M11)》とするのは難しい。
両者とも、環境において優秀な色の、優秀なコモンであり、初手には申し分ない。
個人的には、勝負がややボムで決しやすいと考えると、《平和な心/Pacifism(M11)》>《リリアナの死霊/Liliana’s Specter(M11)》と言ったところか・・・と考えていた。
コモンに《真面目な捧げ物/Solemn Offering(M11)》《帰化/Naturalize(M11)》《送還/Unsummon(M11)》《霊気の達人/AEther Adept(M11)》と《平和な心/Pacifism(M11)》に対処する方法は数多くある一方で、なお《精神の制御/Mind Control(M11)》の評価が揺るがない(よね?)事を考えると、その事から《平和な心/Pacifism(M11)》を弱いと判断するのは、やや難がある。
当然《リリアナの死霊/Liliana’s Specter(M11)》は非常に強力なのだが、《平和な心/Pacifism(M11)》を超えるものであるかは難しいところだ。
少なくとも「2対1交換」以外の理由を持って説明する事は難しく、2対1交換を至上とするなら、何故《精神腐敗/Mind Rot(M11)》>《破滅の刃/Doom Blade(M11)》で無いのかを説明するのは難しい。
今回のケースにおいては、パックの内容から判断するに、微妙なラインナップだが、プレイヤーを誘引するであろう白を回避し、《リリアナの死霊/Liliana’s Specter(M11)》から黒を選択すると言う選択はありえると思うが・・・。
思うに、問題を難しくしているのは、両者の方向性の違いと、「絶対に」《リリアナの死霊/Liliana’s Specter(M11)》は《平和な心/Pacifism(M11)》より強いのかと言う、僕の疑問の持ち方である。
両者ともデッキを強化し、ともすれば今後のピックに大きく影響すると言う存在である事は確かで、場合によっては他者がもう一方より優先される事は有り得る。
「絶対に」と言う言葉や姿勢はその可能性を消してしまう。
それを持ち出すには、明確な根拠や、確たる差が必要になるはずだが、それは見つからない。
比較対象のベクトルが異なる時、明確に優劣を付ける事は難しい。
それが両者共に強力なものなら尚更である。
問題の提起者が実績のあるプロであり、その言動を信用するのは、気分の良い事である。
その提示が説得力を持ち、かつ既存の枠からはみ出るものであれば、新たな視点が得られたとして、その魅力は一層強いものになるだろう。
僕が《リリアナの死霊/Liliana’s Specter(M11)》>《平和な心/Pacifism(M11)》に対して、暗黙に「絶対に」を探していたのは、プロの意見だからであり、その意見を積極的に肯定したいが、今までの常識が邪魔しているからなのだ。
有力プレイヤーの意見を盲信したいと言う誘惑と、それに対する反発がある。
だから、自分が積極的に意見を肯定するに足る強固な理由(絶対にと言えるくらいの)を探して、それを見つけられずにいるのである。
恐らく、友人が同じ主張をしていたのなら、根拠を問い、それが納得のいくものであれば、素直に肯定していただろう。
そして、評価としては《平和な心/Pacifism(M11)》=《リリアナの死霊/Liliana’s Specter(M11)》で決着していたのではなかろうか。
一般に、人の意見を鵜呑みにして、思考停止する事は良く無い事と判断されるが、今回のケースの様に、思考停止に陥らない様にしようとして、暗黙の内に意見を肯定するためのハードルを極端に上げてしまうのも、同じ様に良くない事だ。
ハードルを上げてしまった時点で、議論は不毛化しやすくなる。
それが「絶対に」を求める域まで高まるなら、特に限定的な前提や暗黙の規定が横行するだろう。
思考停止に陥るまいとする強すぎる反発は、結局、意見が公平に見えないと言う結果を招いてしまう。
・・・と。ピックを見ていくはずが、1-1からこんな事になってしまった。
因みに、冒頭の《リリアナの死霊/Liliana’s Specter(M11)》>《平和な心/Pacifism(M11)》については、現在は《リリアナの死霊/Liliana’s Specter(M11)》=《平和な心/Pacifism(M11)》で、ついでに《予感/Foresee(M11)》もそこに入る。
結局、どれを取っても、受けは広いままだ。
色選択を問うにしても、環境における3強であり問題ないだろう。
この前「ダブルシンボルは初手にしにくよ」と言われたけど、結局土地を17枚程度は入れるのだし、問題ない気がするがどうなんだろうか。
ここから1-2以降を見ていくと、何が言いたいエントリなのか良く判らなくなるので、ピックに対する感想は次回に。
http://mtg-jp.com/reading/combos/006724/
前回、1-1《リリアナの死霊/Liliana’s Specter(M11)》>《平和な心/Pacifism(M11)》と僕の感覚からすると、割と衝撃的なファーストピックから。
今回は、その続きであり、3-1からピックの最後までと、試合結果について。
さらには対戦後にデッキ内容の反省が述べられている。
前回記事には、予てより公式にはこの様な記事を期待していた僕は狂喜乱舞し、2回目を心待ちにしていたのだが、その後のお盆休みとそれに続く仕事とで、完全に放置してしまっていた。
と言う事で、話題としてはフレッシュではなく、既に諸氏においては答えが出ている話かも知れない。
前回記事での1-1は、M11環境初期における、ベクトルがややシールドに向いた状況においては、なお一層衝撃的であった。
《平和な心/Pacifism(M11)》と言う過去実績のある優良除去 VS 新作アドバンテージ内蔵生物の構図である。
それから、さらなるシールド、及び数回のドラフト経験を経ても、単体評価としての《リリアナの死霊/Liliana’s Specter(M11)》>《平和な心/Pacifism(M11)》とするのは難しい。
両者とも、環境において優秀な色の、優秀なコモンであり、初手には申し分ない。
個人的には、勝負がややボムで決しやすいと考えると、《平和な心/Pacifism(M11)》>《リリアナの死霊/Liliana’s Specter(M11)》と言ったところか・・・と考えていた。
コモンに《真面目な捧げ物/Solemn Offering(M11)》《帰化/Naturalize(M11)》《送還/Unsummon(M11)》《霊気の達人/AEther Adept(M11)》と《平和な心/Pacifism(M11)》に対処する方法は数多くある一方で、なお《精神の制御/Mind Control(M11)》の評価が揺るがない(よね?)事を考えると、その事から《平和な心/Pacifism(M11)》を弱いと判断するのは、やや難がある。
当然《リリアナの死霊/Liliana’s Specter(M11)》は非常に強力なのだが、《平和な心/Pacifism(M11)》を超えるものであるかは難しいところだ。
少なくとも「2対1交換」以外の理由を持って説明する事は難しく、2対1交換を至上とするなら、何故《精神腐敗/Mind Rot(M11)》>《破滅の刃/Doom Blade(M11)》で無いのかを説明するのは難しい。
今回のケースにおいては、パックの内容から判断するに、微妙なラインナップだが、プレイヤーを誘引するであろう白を回避し、《リリアナの死霊/Liliana’s Specter(M11)》から黒を選択すると言う選択はありえると思うが・・・。
思うに、問題を難しくしているのは、両者の方向性の違いと、「絶対に」《リリアナの死霊/Liliana’s Specter(M11)》は《平和な心/Pacifism(M11)》より強いのかと言う、僕の疑問の持ち方である。
両者ともデッキを強化し、ともすれば今後のピックに大きく影響すると言う存在である事は確かで、場合によっては他者がもう一方より優先される事は有り得る。
「絶対に」と言う言葉や姿勢はその可能性を消してしまう。
それを持ち出すには、明確な根拠や、確たる差が必要になるはずだが、それは見つからない。
比較対象のベクトルが異なる時、明確に優劣を付ける事は難しい。
それが両者共に強力なものなら尚更である。
問題の提起者が実績のあるプロであり、その言動を信用するのは、気分の良い事である。
その提示が説得力を持ち、かつ既存の枠からはみ出るものであれば、新たな視点が得られたとして、その魅力は一層強いものになるだろう。
僕が《リリアナの死霊/Liliana’s Specter(M11)》>《平和な心/Pacifism(M11)》に対して、暗黙に「絶対に」を探していたのは、プロの意見だからであり、その意見を積極的に肯定したいが、今までの常識が邪魔しているからなのだ。
有力プレイヤーの意見を盲信したいと言う誘惑と、それに対する反発がある。
だから、自分が積極的に意見を肯定するに足る強固な理由(絶対にと言えるくらいの)を探して、それを見つけられずにいるのである。
恐らく、友人が同じ主張をしていたのなら、根拠を問い、それが納得のいくものであれば、素直に肯定していただろう。
そして、評価としては《平和な心/Pacifism(M11)》=《リリアナの死霊/Liliana’s Specter(M11)》で決着していたのではなかろうか。
一般に、人の意見を鵜呑みにして、思考停止する事は良く無い事と判断されるが、今回のケースの様に、思考停止に陥らない様にしようとして、暗黙の内に意見を肯定するためのハードルを極端に上げてしまうのも、同じ様に良くない事だ。
ハードルを上げてしまった時点で、議論は不毛化しやすくなる。
それが「絶対に」を求める域まで高まるなら、特に限定的な前提や暗黙の規定が横行するだろう。
思考停止に陥るまいとする強すぎる反発は、結局、意見が公平に見えないと言う結果を招いてしまう。
・・・と。ピックを見ていくはずが、1-1からこんな事になってしまった。
因みに、冒頭の《リリアナの死霊/Liliana’s Specter(M11)》>《平和な心/Pacifism(M11)》については、現在は《リリアナの死霊/Liliana’s Specter(M11)》=《平和な心/Pacifism(M11)》で、ついでに《予感/Foresee(M11)》もそこに入る。
結局、どれを取っても、受けは広いままだ。
色選択を問うにしても、環境における3強であり問題ないだろう。
この前「ダブルシンボルは初手にしにくよ」と言われたけど、結局土地を17枚程度は入れるのだし、問題ない気がするがどうなんだろうか。
ここから1-2以降を見ていくと、何が言いたいエントリなのか良く判らなくなるので、ピックに対する感想は次回に。
コメント
・・・《リリアナの死霊/Liliana’s Specter》は対処されなければそのまま殴って勝てる、《平和な心/Pacifism》は相手の脅威を止めるだけで《平和な心/Pacifism》では勝てない。
初手としては「勝てる」カード且つアドバンテージを取れるカードを優先ということではないでしょうか?
《精神の制御/Mind Control(M11)》の評価が揺るがない
・・・《平和な心/Pacifism》は1対1交換、《精神の制御/Mind Control》はほぼ1対0のようなもの、勝負がボムで決しやすいと考えるならなお威力が上がるということではどうでしょう。
《精神腐敗/Mind Rot(M11)》>《破滅の刃/Doom Blade(M11)》で無いのか
・・・これは単純に盤面に干渉できないからではないでしょうか。
基本的にプレイヤーを殺すのは盤面のクリーチャーなので、将来の潜在的な脅威と2対1交換できるとはいえ目の前に立っている《針刺ワーム/Spined Wurm》を除去できない《精神腐敗/Mind Rot》では身を守ることもこちらのアタックを通すこともできないので《破滅の刃/Doom Blade》よりは下という解釈も成立するのではないでしょうか。
そう聞いてまた悩む、なんていうのは時間の無駄では?
他人の意見を参考にするのはいいことですが、それを自分の中で消化できないのでは、結果に結びつかないと思いますよ。
リリアナはタッチしませんが、平和の心はタッチしても強いです。
単純なカードパワーは、平和の心>リリアナと思います。対応力に差がありすぎます。十中八九クリーチャーの攻防で勝負の決まるリミテッドで、2マナでほぼ全ての戦闘用クリーチャーを無力化できるのは偉大です。
環境、得意なアーキタイプ等を加味した上での評価がリリアナ>平和の心という意味合いと捉えていますがどうでしょう。
個人的にはボムスタートでない限り黒はやらないのでリリアナさんの評価は低いです。
もちろん世間的な評価は高いのは承知の上です。そういう事かな~とも。
>HAMA研の主水さん。名乗るほどの者ではさん。
すいません。全体的に猪突猛進な文章でした。
《リリアナの死霊/Liliana’s Specter(M11)》関連については、《リリアナの死霊/Liliana’s Specter(M11)》が非常に強力な生物だと言う事もあって、初手でピックする場合に《平和な心/Pacifism(M11)》よりも優先される事もあると言うのは納得しています。
《精神の制御/Mind Control(M11)》のくだりについては、エンチャント除去がありふれた環境にあっても《精神の制御/Mind Control(M11)》《平和な心/Pacifism(M11)》が変わらず強力であると言う再確認の意味でした。
つまり《平和な心/Pacifism(M11)》が弱いから《リリアナの死霊/Liliana’s Specter(M11)》を優先している訳ではない事を示したかった訳です。
《精神腐敗/Mind Rot(M11)》についても、テンポや相手の干渉力を考慮すれば、ドラフトにおいては《精神腐敗/Mind Rot(M11)》<《破滅の刃/Doom Blade(M11)》である事も理解しています。
これもインベイジョンサイクルのドラフトの様に極端にアドバンテージ重偏の環境でないと言いたかったのです。
結局、何が言いたかったかと言うと「プロが言ってる=正しい」と受け取りたい自分を発見し、それへの反発から、今度は否定する材料を探している自分に嫌悪感を感じて、それを文章にしました。
名乗るほどの者ではさんの仰る様に、自分の中で上手く消化出来なかった訳です。
ただ、人の意見を聞いた時に、自分が反発、もしくは共感を覚えた時に、それが何に起因しているのかを考えるのは、必要な事ではないかと思います。
分かり辛くて申し訳ないです。
>oppoさん
そうですね。単純に色が薄い方が最終的にデッキに入る確率を考えたらピックしやすいとは思います。
しかし、アラーラやインベイジョンの様な多色奨励環境でもないので、シングルシンボルだから、若干カードパワー的には劣るけど、こちらを取ろうと言うプランには若干違和感を感じます。
両者共に、M11環境はビートより、アドバンテージ環境であるとの認識の様ですね。
個人的にコントロールよりのデッキを好んでいる事もあって、それには賛成です。
最終的には《リリアナの死霊/Liliana’s Specter(M11)》を取っても《平和な心/Pacifism(M11)》を取ってもデッキになるので、どちらも候補になると思います。
今回は、個人的な心情から「絶対にこっちだ!」と言う結論を出さないといけないと思ってしまいました。
コラム上では「絶対に《リリアナの死霊/Liliana’s Specter(M11)》を取ります!」みたいな事は全く書いていなかったので、過敏反応でした。
いや。本当に子供みたいな反応で申し訳ないです。
こちらのコメントこそ蛇足でしたね。
すいません。
また、個人の好みもありますので、プロの意見=絶対ではないと思います。
特にLSVの記事は前提条件などもファジーなことから短時間でちょこっと書いただけというのが僕の印象です。(っていうかぼくがろんぶんおーさーならあんなのりじぇくとだしー)
渡辺氏も書いているように「僕は」(この2択なら《リリアナの死霊》を取ります。)で良いのではないでしょうか?
まあ僕は代価カードがない平和な心を取りますけど。
うん。僕もそれで良いと思います。今回の僕の様な反応は異常ですよね。
提示された評価を自分なりに考えて、実践してその妥当性を検証して行けば良いのに、一足飛びに「絶対に正しい」根拠を探してしまったのは問題でした。
そもそも提示された評価が正しいとは限らないですし。
もうちょっと頭を冷やした方が良いな・・・と思います。
>《平和な心/Pacifism(M11)》
ゼンディカーから続く僕の白嫌いは相当な域に達しつつありますが、それ以上にタイタンにブチ殺されるのが嫌なので、《平和な心/Pacifism(M11)》を僕も取ります。
本当は青(カウンター)か黒(ハンデス)がドラフトとしたいので難しいところですが。
やっぱり、個人的にはビートが苦手なので、克服課題ですね。