Dさんのところでエルドラージ覚醒の総括をやっていて、面白かったので、僕もやってみた。
以下がエルドラージ覚醒の戦績である。
リアル/MO8-4/MO4-3-2-2の区別なく羅列してある。

グリクシス 2-0-1
青白レベル 1-1
ジャンド 3-0
グリクシス 2-0-1
青赤 2-1
緑単 3-0
トリコ 3-0
白緑 3-0
グリクシス 2-0-1
グリクシス 3-0
緑青 2-1
グリクシス 3-0
4色 0-1
ジャンド 2-1
青白 2-1
黒青 3-0
青赤 3-0
青赤 2-1
ジャンド 3-0
4色 0-1

合計20回。
ZEN/WWK環境では、白をほとんど使わなかった事を思えば、今回は嫌わずにピックした方だろう。
基本的には、除去カラーに青か緑の組み合わせ。
除去かレアからドラフトを開始して、そのままコントロール気味にピックしていくと言うのがほとんどだ。

純正の青白レベルは1回しかドラフトした事はないが、青白レベルはプレイするのが難しすぎて止めにしたから。
僕は個人的にレベルアップ生物の評価が極端に低く、特に《空見張りの達人/Skywatcher Adept(ROE)》などの序盤は低スペックで、レベルをMAXにしても除去耐性がないものが嫌いだ。
それに引きずられるようにして《ハリマーの波見張り/Halimar Wavewatch(ROE)》や《虚身の勇者/Null Champion(ROE)》の評価も低かったが、もっと評価を上げても良いように思える。
《ズーラポートの処罰者/Zulaport Enforcer(ROE)》は未だに嫌いだが・・・。

今回のセットではかなり勝率が良かったが、何故だろうか。

1つにはセットのテーマであるレベルアップに執着しなかった事。
これは2回目のドラフトである青白をプレイした時に、レベルアップ関連のデッキは選択幅が広すぎる上に、特に青白と言うコンビネーションは除去能力が低いためミスをすると取り返しがつかないな・・・と言う事を痛感した事による。
こう言うデッキタイプが得意な人もいるだろうが、少なくとも僕には難しすぎた。

2つ目は選択したデッキタイプと卓が良くかみ合った事。
環境初期/中期の青絡みは、卓の中のデッキ完成度がそれほど高く無い事もあってか中盤以降までもつれやすく《記憶の壁/Mnemonic Wall(ROE)》はともかく《現実離れした回顧/Surreal Memoir(ROE)》や《スフィンクスの骨の杖/Sphinx-Bone Wand(ROE)》のプレイと言う大幅なテンポロスを許容してくれた。

逆に緑単や白緑はそうしたタイミングを許す相手に対してコントロールするのではなく、ビートを完遂する事を目指したもの。・・・と言ってもまつがんさんが考えたもので、僕はそれに乗っかっただけなのだがw

この白緑戦略に味を占めて、環境中盤/後半にはジャンドにもチャレンジを。
結局、僕が緑の性質を理解しきれないところがあったものの、序盤を除去で制圧して、中盤からエルドラージで制圧すると言うプランは強力で、勝負を制する事ができた。
これも僕は乗っかっただけなので、解説などは出来ないのだがw

代わりに僕が独力で開発しようと試みた4色コントロールは軒並み失敗。
共に0-1と華麗に散っていったのだった・・・。

3つ目は、《窯の悪鬼/Kiln Fiend(ROE)》や《略奪の爆撃/Raid Bombardment(ROE)》に手を出さなかった事。
これは嵌めパターンを持つが、特定のパーツに依存するデッキを避けたと言う事だ。
「特定のパーツに依存する」と言えばグリクシスコントロールの《記憶の壁/Mnemonic Wall(ROE)》や《現実離れした回顧/Surreal Memoir(ROE)》にも当てはまる事だが、前者が単体ではほとんど脅威になり得ず、ゲームを短くするものであるのに対して、後者も単体ではほとんど働かないが、ゲームを長くするものである点で異なる。
リソース的に見ても前者は減らし、後者は増やす。
この事は前者よりも後者の方がより有効に働く機会を増やす事につながる。
結果として後者を採用したデッキの方が、爆発力はなくなるが、安定して動く事になるだろう。

結局1と3をあわせて考えると「扱いの難しいデッキを避けた」と言える。
その分、自分に合っているコントロール系のデッキを多くプレイした訳で、デッキの動かし方はさほど変わらず、苦手な接触戦闘も避ける事が出来た。
それが勝率の高さにつながっているのだろう。

とは言え、MOを練習の場と位置付けた場合、この行動が正しいのかどうかは疑問だな。
レベルアップを筆頭にもっと色々試すべきだったのかも知れない。
壁中心のデッキも環境の中では存在していたのだが、やらなかった。
でも、ZEN/WWK期と比較すると、ドラフトの考察をして下さっている方々も増えたし、全部自分で試さないといけないと言う訳でもないしな・・・。

うーん・・・。
エルドラージ覚醒を振り返った結論が

「人の真似最高や!デッキ開発なんて最初からいらんかったんや!」

ではまずい気しかしないなw

まぁでも真理の一端はあるか。
人の提示してくれた可能性を良く吟味して、発展させて行く事は双方の利益につながる。
エルドラージ覚醒では概ねただ乗りしかしてこなかった訳だが、M11では何かしら提示し、環境理解につなげられればと思っている。

コメント

D
2010年7月8日23:11

自分はカード(アーキタイプ)の好き嫌いが激しいのでここまで広い実験も兼ねた構築+ピックが出来るbunさんを羨ましく思いますね。

ひ>それはそれで良いと思うのですが…。ブログという自分以外の第三者に見て貰う事を目的とした外部記憶(記録)に書くので、見て貰ってナンボだと思いますけどね。

listener
2010年7月8日23:29

4Cは試験的なデッキだったから仕方ないとして
それ以外に「1度も1没してない」というのは驚異的な記録です。

その理由の部分も納得。

青白は除去能力が低くて無理ゲーが多くなります。
もちろんブン回りで相手に何もさせないこともありますが
除去とレアをきちんと確保する方向が正解だと思います。
実際それが勝率に現れていると思います。

また略奪の爆撃のような
嵌めがあるデッキはたいへん面白いですが
コンボ的な要素が強いので空振りがどうしてもあります。

さらに、必須パーツをとらないといけないので
除去やパワーカードをスルーすることもあり
結局、自分の首をしめることになります。

何より自分にあったデッキであることが
大事なのだと思います。
次の環境に生かします。

くろわし
2010年7月9日0:29

>《窯の悪鬼/Kiln Fiend(ROE)》

嵌まると強いですけど、噛み合わないとホント脆いですよね。

自分はほとんど後者でした…w

まつがん
2010年7月9日0:59

 本文で既に述べられていることではありますが、bunさんの実戦譚は(俺を含め)アーキタイプを提示する側にとっても利益になっていると思いますよ。「未だ経験の浅い他の人にも実践できること」は『アーキタイプ』として普遍性を獲得するための第一歩ですからね。

 また、20回という試行回数は統計と呼ぶには若干少ないですが、それでも50%弱という極めて高い3-0率はbunさんの地力の高さを示すには十分だと思われます。ピックの段階で選択肢の多いブースタードラフトにおいて他人から「○×△◇~こういうの~が強いよ」と言われてその言わんとすることを初見で結実させるのは生半可なセンスで為しえることではありません。おそらくbunさんがMOだけに頼らず、リアルやEternal Dream含め環境の序盤でもう少し頻度高くドラフトをしていればすぐに同じようなアーキタイプを提示することが可能だったでしょう。「人の真似~」というのもあまり意味のない配慮です。デッキ制作者よりもLSVを礼賛するのがMTGというカードゲームの常。理論を提示することとは別に、結果を残せることが間違いなく『強さ』であると考えます。

bun
2010年7月9日13:13

こんにちは。

>Dさん
MOだと手軽にドラフトが出来るので、色々試しでやってみるには良い環境だと言うのはあると思います。
と言っても全体的に青率が高いし、嫌いなタイプはドラフトしていないんですけどねw
僕はDさんのジャンドみたいに、一つのタイプを突き詰めていくやり方もありだと思います。
エントリを読んでて「今からジャンドピックしてくるか・・・」ってなりましたもん。

>ひみつ
僕は基本的に人から教えてもらって、試してみるって言うサイクルでドラフトしてきたので、ああ言う姿勢なんだと思います。
でも、折角外部参照可能な形で書いているので、発信していく姿勢も大事ですよね。

>listenerさん
今回はドラフトした回数は少なかったですが、その経験不足以上に、他の人からもらった情報が多くて、それに助けてもらったと言うのが大きいと思います。
ドラフトスタイルとパックの引きも噛み合っていましたし、運の要素もかなりあるのではと思います。
《マゴーシのスフィンクス/Sphinx of Magosi(ROE)》は何枚引いた事かw

《略奪の爆撃/Raid Bombardment(ROE)》系のデッキは、仰るようにピック/構築/プレイにバイアスがかかるので、デッキが組めるようになるにも知識がいる感じで、果たして《略奪の爆撃/Raid Bombardment(ROE)》をいつピックすれば正解なのか判らず、手を出せませんでした。

「自分にあったドラフトをする」事と「ドラフトの幅を広げていく」事を両立するのは難しいですが、自分が何の目的でドラフトしているのかと言う事を意識していければ良いんじゃないかと思います。

bun
2010年7月9日13:13

>くろわしさん
《窯の悪鬼/Kiln Fiend(ROE)》はほとんど使われる側で、時折ものっそいパンチをされました。
《窯の悪鬼/Kiln Fiend(ROE)》で一気に殴りきるのも爽快だと思いますが、その目論見を転覆させるのも爽快でしたw

>まつがんさん
そう言って頂けると救われる思いです。

最初の緑単のピックと、それに付随するコメントを見ると、僕がまつがんさんのエントリを読んで、その真意を正確に汲めていたかどうかは若干?なところがありますがw
2回目以降はきちんと形にできたかなと思います。

僕が軽量の緑ビートで成功したのは、間違いなくまつがんさんの詳細な環境把握と、卓越した説明能力によるところが大であり、例えば、僕の後ろで見ていた友人との《ハイエナの陰影/Hyena Umbra(ROE)》を巡るやり取りを思い起こせばその差は歴然です。
実際に、ピックと構築とプレイの全てを見てもらっても、そこに適切な説明が加わらなければ有益な情報とはならないのではないかと思います。
プレイと共に、プレゼン能力も磨いていければなと思っています。

>ALL
これからもよろしくお願いします。
bun

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索