日本選手権本戦まで、もうあまり時間がない。

その所為なのか、ドラフトの練習のためにMOの導入をお考えの方が増えている様だ。
個人的には、プレイ人口の増加→情報量と情報の質の上昇なので喜ばしい限りである。

MOで使われる基本的な言語は英語だが、先達の方々が情報の蓄積と整理をして下さっているため、きちんと参照すれば大概のトラブルは未然に防ぐ事が出来る。
今回は、MOのインストール終了後を想定し、僕が参照させて頂いているHPの紹介を交えて、基本的な画面設定やプレイ時の注意事項の解説を。
それから、MOでドラフトの練習をする場合、どの様な点に気をつけるべきかと言う意見を述べたいと言うのが今回の主旨である。

MOはツールだ。使い方次第で費やした時間とお金の効用が変わる。
ツールの特性を理解し、使いこなす事で得られる物は大きくなるだろう。

以下の内容がMOで発生するトラブルを完全に防ぐ事を保証するもので無いと言う断りは入れておく。
しかし、導入後に直面するであろうトラブルを防いだり、解決する助けになるだろう。

因みに無断でリンクを張らせて頂いているので、問題があればお手数ですが、コメントにてお知らせ下さい。即刻削除致します。

Magic Online Wiki for Japanese
http://www15.atwiki.jp/magiconline/


基本的な画面設定、ドラフトへの参加方法、作成したデッキの登録方法から、イベントキュークラッシュ時の補償請求方法まで、このページがフォローしている情報は膨大なものだ。
特にコンテンツの

MO FAQ
MO設定リファレンス
MO TIPS

は必ず目を通しておく事を強くお勧めする。

誰しもMTGをプレイしていて、MTG以外の部分で勝敗が決してしまう事は不愉快以外の何者でもない。
ご自身がMTGに熟練していたとしても、MOを初めて導入される際には、独特の注意点が存在するのだと言う事を知っておいて頂きたい。
例えば、リアルではクリックミスなど起こるはずもないが、MOではインターフェイスの性質上、どうしようもなく起こり得る。

上記はいずれも重要だが「MO設定リファレンス」内の「SETTINGS - GAME PLAY」は特に重要だ。
「SETTINGS - GAME PLAY」ではターン進行に関する設定を行なう。
基本的にはチェックされたステップ以外ではそのまま進行していってしまうので、設定によっては「相手がアタックしてきたと思ったらそのまま死んでいた」
と言うポルナレフも真っ青な事態も起こり得る。

「MO TIPS」内の「ショートカット・キー」一覧のALT+U(Undo/やり直し)機能は良く使う。
マナを出しすぎたり、出し間違えたりした時に戻す機能で、特に第二メインに入る前の戦闘中に、間違えてマナを出してしまう事は良くある。
ステップが進行してしまったり、土地も含めて何かをプレイしてしまったりすると、もう巻き戻す事が出来ない点には注意が必要だ。

それ以外には戦闘中のアタック/ブロックまたはそれの取り消しなどにも注意。
基本的に操作はクリックで行い、状況によっては、反応に若干のラグがある。

《溶口/Magmaw(ROE)》のようなマナ以外のコストを要求する能力にも注意するべきだろう。
手順によっては《溶口/Magmaw(ROE)》自身をサクリファイスして、本来サクリファイスするつもりだった生物に1点のダメージを与えて終了と言う事も有り得る。
表示されるメッセージを良く読み、対象を選べと言われているのか、コストを払えと言われているのか判断しなくてはいけない。

※おんたいさんから情報を頂いて追記致します。

Magic Online III 日本語マニュアル
http://www9.atwiki.jp/mov3/

Magic Online Wiki for Japaneseのメインページにも言及があるarthfingさんのページです。
MOの基本的な操作方法からより上級者向けの詳細な情報が掲載されています。
その他MO上で行なわれているイベントの情報も更新して下さっている模様。
もともとMagic Online Wiki for Japaneseの作成にarthfingさんが関わってらっしゃると思っていたのですが・・・。
ここら辺は僕の認識不足がありそう。

おんたいさん情報感謝です。

MOは出来るだけ直感的にプレイ出来る様に設計されているが、それでも慣れは必要である。
もし僕が

「初めてMOをプレイするんだけど、どの卓に座れば良い?」

と聞かれたなら、断然Swissが良いよ。と答えるだろう。

今まで見てきたプレイヤーの多くは、いきなり8-4卓は怖いけど4-3-2-2なら構わないだろうと言う判断をしていた。
が、上記に見られるような致命的なミスを犯した場合、それがゲームに影響を与えずそのまま済まされる等と言う事はほとんどない。

もしあなたが素晴らしい技術で、素晴らしいデッキを構築して、全くMTGとは関係ないクリックミスで相手に敗北したら、どう思うだろう。
きっと「このツールはクソだ」と思わずにはいられない。
それはあなたにとってはもちろん、MOにとっても不幸な事だ。
不慣れなツールである場合、それはほとんど避け難く起こってしまう。
Swissなら相手がドロップしたなど特殊な場合を除いて、3戦きちんと戦う事が出来る。
そうする事でMOの操作に慣れる事が出来るし、操作ミスが挽回できるチャンスも増えるだろう。

ここでも見られる様に「何のためにMOを使うのか」と言う事を意識する事は非常に重要である。
人によって事情は異なるだろう。
例えば、環境が良く判らず、カード毎の相互作用が知りたいと言うのならSwiss卓がお勧めだ。
とにかくレアが集めたいと言う場合もそうだろう。

しかし、そうではなく、例えば日本選手権本戦に参加するためにドラフトの練習がしたいと言うような場合には断然8-4がお勧めだ。

人間と言うものは不思議なもので、しばしば本来の目的を忘れてしまう。
例えば「ドラフトの練習をしている」はずなのに、構築専用の高価なカードをピックしてしまうと言う事は良くある。
8-4と4-3-2-2を比較した場合、1勝あたりのパック数は8-4の方が多い。
この事は、8-4の1勝にはより多くの価値があり、結果的にレアピックを抑制する効果があるのだ。
8-4と言う高リスクの卓でドラフトを行なっていると言うのもセルフコントロールに一役買う事になる。

個人的には8-4の方が4-3-2-2よりもデッキが組みやすい。
アーキタイプを開発したいと思ったり、デッキの完成形を見据えてドラフトしたいと思うなら8-4だ。

逆に難しい流れが経験したいなら4-3-2-2がお勧めだ。
前述したように4-3-2-2では比較的レアピックをしやすい環境にある。
その事は流れを難しくする事に繋がる。
自分の最序盤の主張がレアピックによって歪んでしまう様な場合、2パック目以降に戦略の修正を求められる。
流れに対する対応を考えるなら、8-4と4-3-2-2の両方を経験した方が幅は広くなる。

個人的に卓によってプレイヤーレベルの差があるとは思わない。
ただ、傾向の違いはある様に感じる。

前述の様に8-4と4-3-2-2を比較すると1勝あたりのパック数は8-4の方が多い訳で、お金をかけずに練習がしたいと言うのなら8-4を選択するべきだ。
逆に4-3-2-2でパックを減らさずにドラフトし続ける=毎回必ず2勝以上するとなるので、かなり難しい。

ピック譜の上げ方については、ななしさんの書かれたエントリが非常に分かりやすい。

ドラフトレコーダー
http://nanashi774.diarynote.jp/200911210403048806/

無料のスペースを借りるのが面倒くさいと言う方は「Raredraft」と言うページで公開すると言う手もある。

Raredraft
http://www.raredraft.com/welcome?ref=/

ただ、どちらにしろメールアドレスが必要になるので、手間はあまり変わらないかも。
Raredraftの方はDraftRecorderのテキストファイルをそのまま載せられるので、1手間省けると言ったところか。

個人的には、公開する/しないに関わらず、ピック譜を付けて、それを見返す事をお勧めする。
公開する場合には、ピックの妥当性を外部に説明すると言う機能も果たすため「何となくピックした」と言うケースが無くなるのは練習の質を上げるのに貢献すると言える。

ただ漫然とドラフトをしても、効率良く学習すると言うのは難しい。
ピック譜の再検証は、自分の反省材料を探すのに役立つだろうし、それを外部に公開するのは、自分の反省内容が妥当なものであるかを検証する事ができる。

以上で駆け足ながらMO導入後の設定と注意点、ピック譜を上げる方法を紹介させて頂いた。
参照させて頂いた、ちゃっぴーさん、ななしさん、arthfingさんには感謝を。

MOにも不満点は数あるが、練習用のツールとしてMOが優れていると言える点もある。
それは、意外に思われるかも知れないが「実際にお金がかかる」と言う点にあると考える。
その点で、MOは他の無償ツールと大きく隔たる。
これがあるから、あなたと同卓になった対戦相手はみんな真剣だ。
恐らくみんなが勝利を目指し、妥協しない。
そんな対戦相手を、MOはメンテナンス時間を除く、ほとんど常時あなたに提供する。

MOはツールだ。使い方次第で費やした時間とお金の効用が変わる。
自分が何を目的としてそれを使うのか。
達成するべき目標は何なのか。
確かに見据えるものがあれば、より使いこなす事ができるだろう。

それでは良いMOライフを。

コメント

listener
2010年6月22日14:06

Good Jobです!

こういう親切な紹介ページがあることは
非常に多くの人にとってありがたいことです。

MOの最初のハードルはけっして低くありません。
小さな石にいっぱいつまずいてしまって
やる気をなくしてしまうことはめずらしくないと思います。

そういう人たちにとって
本当にありがたいレファランスだと思います。

おんたい
2010年6月22日17:05

リンクを貼れないので、ググって欲しいが、「Magic Online III 日本語マニュアル」もオススメのページ、arthfingさんが頑張ってくれています。

bun
2010年6月22日18:49

>listenerさん
あの時のクリックミスの痛みは忘れないw
折角素晴らしいページがあるので、これからMOをやってみようと思われた方々には、ぜひ一度目を通してもらいたいなと思います。
「良いドラフトできたぜ!」→クリックミスからしょぼーん・・・の流れは痛すぎますもんね。

>おんたいさん
情報感謝です!
エントリ中でも言い訳してますが、arthfingさんがMagic Online Wiki for Japaneseを作った一人だと思ってましたw
情報ありがとうございます。

arthfing
2010年6月22日23:45

Ver.3のセッティングについては、Free Style MTGさんが詳しいです。
「Alt」+「u」等のショートカット・キーは書かれてないですが。
tp://jumphero2006.the-ninja.jp/mo_index.html
bunさんに少々返信しました。

ななし
2010年6月22日23:49

紹介してもらってありがとうございます。
自分も「submit」ボタンで泣いた記憶があります。

別の内容になりますが、ある程度操作が出来るようになってからぶつかった壁はトレードでしたね。

bun
2010年6月23日19:00

こんばんは。

>arthfingさん
返信ありがとうございます。読ませて頂きました。

僕の認識には時間軸の概念が足りなかったようです。
色々過去記事なども一緒に読ませて頂いたんですが、気が付いたら《時間のねじれ/Time Warp(M10)》してて、やばかったですw

>ななしさん

こちらこそ分かりやすくまとめて頂いてありがとうございます。

>submit
あー。分かります!
デッキを記録するんだから「Save」で良いだろう。
→あれあれ。デッキが大きいぞ
→死んだwww

とかですよねw

>トレード
これも分からないよって言う人は多いですよね。
一応金銭的にトラブルになるのが嫌だったので、かなり調べてから挑戦しました。
結局挫折したんですがw
bun

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