エルドラージ環境は、デッキタイプが色々あって、それぞれに相性差があるよね。と言うお話。

例えば、一つ前のZEN/WWKドラフトでは、単色で組めてしまった黒単は、ただ単に強かった。
それは赤単/緑単についても同様で、相手の色とかアーキタイプに関わらず、勝てていた様に思う。

エルドラージ覚醒環境を見てみると、そう言う単純さは無い様に思える。
例えば青白レベルアップはその性質から黒赤系の除去単に弱くて、黒赤系の除去単は大き目の黒緑エルドラージに弱くて、大き目の黒緑エルドラージは青白の《族霊導きの鹿羚羊/Totem-Guide Hartebeest(ROE)》コントロールに弱くて・・・みたいな。

感覚で書いているから、実際はどうなのか?とか白青レベルアップだって、複数枚《英雄の時/Time of Heroes(ROE)》が取れてて、山ほど《隊商の随員/Caravan Escort(ROE)》がいれば何にでも勝てるよ、とかつっこみ所は一杯ある。

でも、環境初期に良く聞かれたように「きちんとデッキが出来ていたのに負けた」と言うのを説明しようとするのに、環境に存在するデッキタイプの多様さと、それぞれに見られる相性差と言う考え方で応じるのは、有効な様に思える。

何でこんな事を考え始めたかと言うと、先だって緑青をドラフトした時に、勝つイメージよりも負ける方のイメージが強かったからだ。

エルドラージ覚醒環境は、コモンに強烈なシステム生物がいて、そいつらが有効に働く様になると、瞬く間に負ける。
それらに対する対応は、除去するか、さもなければそいつらが動き出す前に勝負を決める事だ。

前者の考え方に従ったのが主要の2色に除去カラーをタッチした多色系のデッキで、後者の考えに従ったのが、緑白や緑青のきちんと組まれたビートデッキ。

白青系のレベルアップに、タッチ赤/黒をして除去を入れるのは、《訓練場/Training Grounds(ROE)》や《敬慕される教師/Venerated Teacher(ROE)》などのブースとを前提としない限り、レベルアップデッキが遅めのデッキタイプだからだ。

毎回きちんと《敬慕される教師/Venerated Teacher(ROE)》が有効に機能するように作るには、《敬慕される教師/Venerated Teacher(ROE)》を複数枚と、多くのレベルアップを必要とする。
それらをきちんとドラフトし切るのは非常に難しいし、運用にムラが出ない事は保障されない。
かなり完成されたレベルアップでも、《敬慕される教師/Venerated Teacher(ROE)》がただの《灰色オーガ/Gray Ogre(4ED)》になってしまうと言うケースはあり得る。

少しでもデッキを安定して運用したいなら、若干の固めのパーツと除去を併用し、最終的にレベルMAXの《ハリマーの波見張り/Halimar Wavewatch(ROE)》なり、《岸壁安息所の騎士/Knight of Cliffhaven(ROE)》なりで勝てば良い。
白を使うなら《族霊導きの鹿羚羊/Totem-Guide Hartebeest(ROE)》を使う事ができ、コントロールなら《護衛の任務/Guard Duty(ROE)》も上手く使う事が出来る。
《護衛の任務/Guard Duty(ROE)》や《睡眠発作/Narcolepsy(ROE)》《剥奪/Deprive(ROE)》は同じく中速のエルドラージデッキに効く良いパーツだ。

問題は環境にこれ以上のコントロールデッキが存在する事。
《記憶の壁/Mnemonic Wall(ROE)》や《現実離れした回顧/Surreal Memoir(ROE)》を中心に組まれた青黒赤がそれだ。

ほとんどシステム生物しか入っていないため、《睡眠発作/Narcolepsy(ROE)》や《護衛の任務/Guard Duty(ROE)》などの擬似除去では対応できない。

サイド後はいらないパーツを生物に置き換えるか、《剥奪/Deprive(ROE)》や《解明/Lay Bare(ROE)》を増やして対応するか。
序盤にクロックさえ用意出来れば何とかなるかも知れない。
レベルアップはメインにマナを使ってしまうのでそれもきつそうだが・・・。

後者の緑白や緑青も良く出来たコントロール系は苦手そうだ。
《陰影/Umbra(ROE)》などでサイズを上げないと《海門の神官/Sea Gate Oracle(ROE)》や《ハリマーの波見張り/Halimar Wavewatch(ROE)》の突破に苦労する。
《大群の力/Might of the Masses(ROE)》は有効だが、相手にスペルを合わせられない事が前提になる。
サイド後は・・・なんだろう。特に用意できない気がする。
《睡眠発作/Narcolepsy(ROE)》や《絶望の誘導/Induce Despair(ROE)》を考えると《陰影/Umbra(ROE)》をサイドに落として、生物を追加するプランか。

現状では強力だと言える黒青赤だが、黒緑、端的に言うと《骸骨のワーム/Skeletal Wurm(ROE)》と《死者のインプ/Cadaver Imp(ROE)》と《帰化/Naturalize(ROE)》の組み合わせと、タフネス3以上で構成されたデッキが苦手で、そう言う相手には相性が悪い。
だが、こんなもっさりデッキは、前述の白青タッチ派生や、緑白などのビートデッ
キには成す術がない。

・・・とまぁ感覚的な話に終始したが、結局ドラフトは、自分のデッキを完成させられたか、あるいは他人のデッキの完成を阻めたか、と言う事に尽きる。
デッキ構築やプレイも密接な関係にあるだろうが、他人のデッキ構成に嘴を挟めるのはピック段階だけだ。

とすると、ピック段階で自分のデッキの完成系だけでなく、苦手なデッキの構成要素を積極的にカットする必要があるのだろう。
現状で青黒赤がデッキになるのは《記憶の壁/Mnemonic Wall(ROE)》や《現実離れした回顧/Surreal Memoir(ROE)》が卓内で安いためだ。
両者とも他のデッキでは使いにくく、ピック中盤で入手できる。
とは言え1枚も逃さずカットすると言うのも難しそうだな・・・。

現状で僕がドラフトに対して煮詰まっているのは、過去の環境よりも相互の相性差が大きい事と、それに伴ってサイドボードの重要性が増している事。

サイドボードについて言えば、用意された別の色のカードを使うべきなのかそうでないのか、もしくはピック段階で用意するべきなのか、それともカットに手番を費やすべきなのか判断が難しい事。

それから、各アーキタイプの完成系が見えない事。
それぞれのタイプの弱点ばかりが目についてしまい、それを克服する手段が見つからない。
特に緑系のデッキは、遅いタイプも早いタイプも組み上げる事ができるため、判断が難しい。

何だか、環境初期の方がまだ迷いが無かった気がする。

進むべき道は?

除去から入って、卓の流れを見つつ《記憶の壁/Mnemonic Wall(ROE)》や《現実離れした回顧/Surreal Memoir(ROE)》が安ければ、そのまま多色コントロール・・・なのかなぁ。
それを否定する材料もないので、困ったところ。
ドラフトも難しいな・・・。


コメント

ろせ
2010年6月16日9:38

最近同じようなことを考えていました。
相性差がありすぎて俗にいう『完成系』は見えない。

MOやっていても土地見ただけで、サイドしたい状態になる。

bun
2010年6月16日13:08

こんにちは。

>完成形
前回ろせさんが入れてた《減縮/Shrivel(ROE)》が良い例かな?と思います。

デッキタイプとしては、デッキVSデッキになるので《剥奪/Deprive(ROE)》が本来優先なのでしょうが、明確な弱点を埋めようと思うと《減縮/Shrivel(ROE)》に軍配があがりそうです。

他にも、純正青白のレベルアップが全く強く見えなかったり《窯の悪鬼/Kiln Fiend(ROE)》中心の青赤ビートが《よろめきショック/Staggershock(ROE)》で崩壊しそうだったりと、プール的に考えてデッキタイプとして成立はするけれど、プールの他の部分が特定の戦略を破綻させていたりするので難しいですね。

まぁそれが面白いのかも知れませんねw
bun

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