RoE環境におけるアーキタイプの探求
2010年6月10日 TCG全般 コメント (6)エルドラージ覚醒の発売から既に1ヶ月以上が経過した。
既にリミテッドが主戦場のGPリオンやPTサンファンが終了し、環境の輪郭も定まってきているはずである。
ZENドラフトに擬えるなら、ちょうど《面晶体集め/Hedron Scrabbler(ZEN)》がデッキに入り出したか、そうでないかくらいで、同じくリミテッドのGPであった、GP北九州でオオイソさんが過小評価されているカードに挙げている。
《面晶体集め/Hedron Scrabbler(ZEN)》は見た目の貧弱さと上陸能力のチープさから当初デッキ投入が躊躇われたが、環境に存在する《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder(ZEN)》や《刃牙の猪/Bladetusk Boar(ZEN)》への対策として、または単なる《灰色熊/Grizzly Bears(10E)》としてゼンディカー環境で活躍した。
若干判りにくい例えだとは思うが、発売後1ヶ月と言う時期は、「強いデッキタイプは判ってきたけれど、それに対する対策はまだ浸透していない時期」だと言う事が出来るだろう。
さて。それではRoEで強力だと思われるデッキタイプは何だろう。
僕の経験からすると、緑白ビートや青系の除去単コントロールが良いのではと思うのだが、昨日のピックにも見られる様に重篤な《予言のプリズム/Prophetic Prism(ROE)》依存症患者である僕には、冷静に環境を判断する能力は無い。
と言う事で、今回は外部の情報を参照する事で環境を把握し、彼我の差を埋めようと言うのが主旨である。
以下のリンクは公式ページのもの。
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Archive.aspx?tag=activity
さらに以下にDraft Viewer付きのものを抜き出した。
取りあえず1ヶ月分の情報を。
情報としては席順、ピック譜、デッキの内容、対戦結果と揃っているので、かなり質の良いものだ。
上記のDraft ViewerはChanpionShipのTop8であったり、Premiere EventのTop8であったり、PTのTop8であったりするので、卓参加者のレベルはかなり高いと思われる。
そのため、ピック1手1手の意図を理解するのは困難だが、席順とデッキ内容から、エルドラージ覚醒における理想的なデッキの形が見えてくるはずだし、対戦結果はそれぞれのアーキタイプの相性や、真に強力なアーキタイプは何かと言う問いにも答えてくれるはずだ。
残念なところは試合の形式がシングルエリミネーションと言う事と、試合の結果は残っているが、経緯は残っていない為、アーキタイプによらず、卓越したプレイングで勝利すると言うケースや、そもそもシャッフリング・デスでゲームにならなかったと言うケースがあるかも知れないが、そこまでは判らない。
そこらへんは仕方が無いので目を瞑る事にする。
時系列通りに見ていく事にして、まずは5/11のものを。
Draft Viewer: 5/11/2010
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/activity/448
このドラフトを制したのはJabsの黒赤ビート。
2体の《尊大な血王/Arrogant Bloodlord(ROE)》を除去/擬似除去でサポートするデッキと見るか、《カラストリアの血の長、ドラーナ/Drana, Kalastria Bloodchief(ROE)》《ニルカーナの亡霊/Nirkana Revenant(ROE)》でゲームを終わらせるまで時間を稼ぐデッキと見るか微妙なところ。
2体投入されている《逃亡した虚身/Escaped Null(ROE)》は防御的性格が強いため、後者との解釈が妥当か。
対戦は青赤レベル(Avantasian)に2-1
黒赤除去単(kilgoret)との《カラストリアの血の長、ドラーナ/Drana, Kalastria Bloodchief(ROE)》合戦を2-0で制して、最後は緑白オーラ(Batutinha)を2-0で破っている。
青赤はレベルアップが除去されてしまうと厳しく、緑白は《カラストリアの血の長、ドラーナ/Drana, Kalastria Bloodchief(ROE)》が出てくるとほぼゲームエンド。
サイズ的にも《逃亡した虚身/Escaped Null(ROE)》や《尊大な血王/Arrogant Bloodlord(ROE)》が大きく、スペルやシステムの分だけ有利だっただろう。
個人的な注目は黒赤除去単(kilgoret)で僕のお気に入りである《スフィンクスの骨の杖/Sphinx-Bone Wand(ROE)》を採用している。
しかし2色故に《夜霞/Nighthaze(ROE)》を採用しなければいけなかったり、本来はコントロールデッキなのだろうが、《戦装飾のシャーマン/Battle-Rattle Shaman(ROE)》が採用されているなど残念な所もある。
1戦目に緑白オーラ(Undergroundriverboa)を倒してきているのは《血の復讐/Vendetta(ROE)》《絶望の誘導/Induce Despair(ROE)》
そしてやはり《カラストリアの血の長、ドラーナ/Drana, Kalastria Bloodchief(ROE)》によるところが大きい様に思う。
両者のデッキとも良く出来ていると思う。
環境初期の黒の不人気を反映しての結果だろうか。
次にその1週間後5/19のものを。
Draft Viewer: 5/19/2010
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/activity/453
このドラフト制したのはPaanikaの黒赤ビート。
またしても黒赤ビートの登場である。
しかし前述の黒赤とはかなり趣きが異なる。
何と言ってもメインに2体投入された《死の信者/Death Cultist(ROE)》が異彩を放つ。
《葬儀甲虫/Mortician Beetle(ROE)》とのシナジーを意識しての事だろうが、どうなんだろうか・・・。
サイドボードに《本質の給餌/Essence Feed(ROE)》や2枚目の《魂うねりの精霊/Soulsurge Elemental(ROE)》を落としてまで採用されている点には意思を感じる。
その他には《カラストリアの血の長、ドラーナ/Drana, Kalastria Bloodchief(ROE)》と《髑髏砕き峡の王/Lord of Shatterskull Pass(ROE)》《征服するマンティコア/Conquering Manticore(ROE)》と言う豪華な面々が。
そう考えると《死の信者/Death Cultist(ROE)》とか割と関係ない気はする。
対戦は緑青タッチ《よろめきショック/Staggershock(ROE)》(bald_headed_doom)を2-0。
白青レベル(sodahucker)を2-1で、青黒レベル(By The Great Wind)を2-1で乗り越えた。
やはりデッキコンセプトを優先するあまり、弱すぎるパーツを入れているのが問題なのだろう。
と言うかデッキコンセプト自体が弱い気がする。
逆に面白いのは《アクームの岩足/Akoum Boulderfoot(ROE)》の採用で、6マナ4/5と言う微妙なスペックながら、そのETB能力ゆえに人権があるようだ。
個人的にはナイスサイドボード程度の扱いだったが、認識を改める必要があるかも知れない。
白青レベル(sodahucker)はかなり強そうなデッキだが、やはりシステムに触れないのは辛そうだ。
こうして見ると白のインスタントはかなりのションボリである。
そうするとやはり何かしらタッチするべきなのだろう。
さて次。
Draft Viewer: 5/26/2010
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/activity/458
3週目にしてやっと黒赤ではない覇者の登場。
このドラフトを制したのはRussiaの青赤。
デッキリストを見ると地上を固めてシステムで勝つタイプのデッキで非常にきれいな印象を受ける。
特に3枚投入された《海門の神官/Sea Gate Oracle(ROE)》はデッキの補助エンジン。
ここから序盤の守りを固め、迅速にシステムを調達してくる。
《海門の神官/Sea Gate Oracle(ROE)》が運んでくるだろうスペルも《炎の斬りつけ/Flame Slash(ROE)》《睡眠発作/Narcolepsy(ROE)》《剥奪/Deprive(ROE)》と相手の爆弾に対処できるようになっている。
それ以外は各種システムか《マゴーシのスフィンクス/Sphinx of Magosi(ROE)》の様な爆弾だ。
採用されている生物群から、ここまで《マーフォークの空偵者/Merfolk Skyscout(ROE)》が強く見えるデッキも珍しい。
非常にきれいなデッキだが、その一方で疑問も残る。
まずはサイドに落とされた《全ては塵/All Is Dust(ROE)》
確かに対応できないパーマネントがある事や勝っている場では役に立たないと言う事はあるが、このデッキでは
勝っている=システムが有効に機能している
と言う事であり、相手に押し込まれた時に対応できると言うメリットの方が大きい様に思える。
それから《進化する未開地/Evolving Wilds(ROE)》が採用されておらず、かつ土地が16枚である事。
《海門の神官/Sea Gate Oracle(ROE)》が3枚いると言っても16枚と言う枚数は切り詰められた数字だ。
僕なら《産卵の息/Spawning Breath(ROE)》を1枚抜いて《進化する未開地/Evolving Wilds(ROE)》にするが・・・。
対戦は
2-1緑赤タッチ《暁輝きの発動者/Dawnglare Invoker(ROE)》(OniSlave)
2-0黒白エルドラージ(The_Great_Dustini)
2-1白青レベル(Diabolic_goat)
をそれぞれ倒している。
白青レベル(Diabolic_goat)はコストの踏み倒しをほとんど行なわない誠実なレベルアップで、とても養えるとは思えない数のレベルアップを入れている。
特に《イキーラルの先導/Ikiral Outrider(ROE)》×3とか大丈夫なんだろうか・・・。
確かにデッキに1枚の《敬慕される教師/Venerated Teacher(ROE)》が引ければそれで良いのではあるが。
Diabolic_goatは黒赤エルドラージ(Mook84)と白緑赤(SAI)をそれぞれ2-0で下しているので、デッキか、プレイヤーか、もしくは《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura(ROE)》が強いはずなのだが、良く判らない。
僕が考えるよりもがっちり系のレベルアップは強いと言う事か。
そうなら《魂縛りの守護者/Soulbound Guardians(ROE)》がサイドに落ちているのはちょっと不可思議。
黒白エルドラージも《進化する未開地/Evolving Wilds(ROE)》をサイドに落としているんだけど何でかなぁ・・・。
《ウラモグの手先/Pawn of Ulamog(ROE)》《尊大な血王/Arrogant Bloodlord(ROE)》と黒が濃い目なのだし、入れて損はないと思うのだけれど。
謎である。
次はついにやってきてしまったPTサンファン。
Draft Viewer: 6/02/2010(PTサンファン)
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/activity/463
正直これ良く判らなかったんだよな。
このドラフトを制したのはご存知PVことPaulo Vitor Damo da Rosaの黒緑エルドラージ。
以前にも書いたが、このデッキの構成は極めてヘビー。
一応序盤から何も出来ないという構成ではないが、一見してあまり強い様には見えなかった。
と言う事で対戦成績を見ていこう。
ドラフトのデッキの強さは、あくまでも周囲との相対的な差だからだ。
3-2緑青赤エルドラージ(Josh Utter-Leyton)
3-1白青レベル(Noah Swartz)
3-2青黒レベル(Guillaume Matignon)
ほとんどフルセット戦った試合ばかり。
この時PVは後手を選択し続けたらしく非常に驚かされた。
それだけトッププレイヤーの認識が「環境は遅い」と言うものだったからだ。
Josh Utter-Leytonのデッキは緑青タッチ《よろめきショック/Staggershock(ROE)》《戦いへの欲望/Lust for War(ROE)》
デッキに搭載された多くのマナブーストから《軟体の起源/Gelatinous Genesis(ROE)》や《ウラモグの破壊者/Ulamog’s Crusher(ROE)》につなげる。
その一撃は重たいし、それをきちんと調達してくる要素もあるのだけれど、必殺技の1つが回避されてしまうと、途端に苦しくなる。
《記憶の壁/Mnemonic Wall(ROE)》があればもっと良いデッキだっただろう。
Noah Swartzの白青レベルは非常に優秀な生物群を少数のスペルでサポートする形。
レベルアップは、《敬慕される教師/Venerated Teacher(ROE)》などのエンジン部分が引けなかった場合に、相手の足を止めておく必要がある。
そのため《護衛の任務/Guard Duty(ROE)》《強打/Smite(ROE)》と言った防御的な要素がきちんと用意されているのは好感が持てる。
個人的には良いデッキだと思うが、PVには勝てなかったようだ。
Guillaume Matignonの青黒レベルは非常に強力に仕上がっていると思うのだが・・・。
Noah Swartzの白青レベルと比較しても、システム、スペルの両面で青黒レベルに軍配が上がると思う。
システムはともかくとして、白と黒のスペルの格差が出ていて非常に面白い。
とは言うもののPVが何で勝てたのかは、やっぱり謎だった・・・。
そしてこれがつい昨日の結果。
エルドラージ覚醒ドラフトの現状がここにある。
Draft Viewer: 6/09/2010
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/activity/468
このドラフトを制したのは・・・flyingbearの白青レベル!
遂に黒でも赤でもないデッキの登場だ。
デッキはきれいな白青で、《海門の神官/Sea Gate Oracle(ROE)》が採用されている事で従来のものより安定性が向上している。
白青レベルの序盤が弱い事を考えると《海門の神官/Sea Gate Oracle(ROE)》は非常に重宝する。
それ以外で面白いのは《失脚/Oust(ROE)》の不採用。
それを押しのける形で《強打/Smite(ROE)》が採用されている事を考えると若干の違和感があるが、一時的に《硫黄石の魔道士/Brimstone Mage(ROE)》や《飛び地の暗号術士/Enclave Cryptologist(ROE)》に対処するよりも恒久的に大型生物に対処できた方が良いと言う判断なのだろう。
もしくは《ハイエナの陰影/Hyena Umbra(ROE)》か。
《族霊導きの鹿羚羊/Totem-Guide Hartebeest(ROE)》の影響もあるだろうが《失脚/Oust(ROE)》を押しのける評価を《ハイエナの陰影/Hyena Umbra(ROE)》が受けているのは面白い。
対戦は
緑赤(elambert24) 2-1
青緑オーラ(Cry Baby Quinn) 2-1
赤黒(Fearless1) 2-1
と全てのマッチを戦い抜いて倒してきている。
緑赤には相手も中速なので、先手/後手が勝負を分けそうに見える。
白青側に有利なのは、メインも、サイド後もほとんど飛行は止まらない事。
ただ、序盤に《バーラ・ゲドの獣壊し/Beastbreaker of Bala Ged(ROE)》などの打点の高い生物が出てきてしまうと早急に対処しないとそのまま負けてしまう。
それ以外なら《族霊導きの鹿羚羊/Totem-Guide Hartebeest(ROE)》でほとんどの場合、相手の主力を2体無効化できそうだ。
青緑オーラはお互い回避能力での叩きあい。
《暁輝きの発動者/Dawnglare Invoker(ROE)》と《英雄の時/Time of Heroes(ROE)》分だけ有利と言った感じ。
最終戦の赤黒は《黒死病の悪魔/Pestilence Demon(ROE)》が出てくるとそのまま負けたり、《バーラ・ゲドの蠍/Bala Ged Scorpion(ROE)》がかなりの部分に刺さって辛そうな雰囲気だが、どうやって勝ったんだろう。
白青レベル特有なブン周りくらいしかない気がするが・・・。
と言う訳で約1ヶ月分を駆け足で見て行ったが、最初の2週間程度は、レア+除去デッキの独壇場と言った感じだったが、青赤が優勝したあたりから黒赤以外のデッキの完成度も上がってきたように思う。
色の評価として弱い部類に入るのはやはり白で、目立った活躍を見せられないままだ。
逆に黒はと言うと前評判を覆し、堂々の活躍ぶりである。
生物の貧弱さは他の色でカバーし、除去とシステムの優秀さを生かしている。
相方は白以外の3色と相性が良く、白ともそう悪い訳ではない。
ただ、黒の生物の線の細さを、同じく線の細い白が補えるかと言うと微妙なところであり、オーラを使うにしても黒のオーラは貧弱だ。
意外に結果を残せていないのが緑で、結果を残しているのはPVが使った黒緑だけ。
卓でドラフトされすぎているのか、デッキの開発が遅れているのか定かではないが、緑を使う場合はビッグマナデッキになりやすく、それが除去単に強い訳でもレベルに強い訳でもないのが問題のような気はする。
除去単に強くするためには《死者のインプ/Cadaver Imp(ROE)》などが活用できる黒か、除去単側がトークンまで処理しなければならなくなる《略奪の爆撃/Raid Bombardment(ROE)》の採用が鍵になるかも知れない。
レベル相手には序盤と中盤を厚くする事。きちんと《帰化/Naturalize(ROE)》を取っておく事など、何にせよ一工夫必要になるだろう。
結果を踏まえると有効なアーキタイプは
黒/赤/青のコントロール、またはビートが最有力で、ついで青黒/白青のレベルアップが続く。
その次が緑絡みのビッグマナと言う事になるだろうか。
もちろん、取り上げたサンプル数が少なすぎると言う事はあるだろう。
ところで。
《予言のプリズム/Prophetic Prism(ROE)》の姿は・・・?
今のところ緑意外でタッチ3色目を導入しているデッキはほとんど見ない。
その緑系にしてからが、そもそも勝ちきれていないところを見ると、やはり多色化などと言うのは幻想に過ぎないのか・・・。
と思ったら。
http://blogs.yahoo.co.jp/poorcat12/52264161.html
上記リンクに僕同様、積極的に多色化を推進されている方が。
多色化して《記憶の壁/Mnemonic Wall(ROE)》や《族霊導きの鹿羚羊/Totem-Guide Hartebeest(ROE)》を最大限に活用出来る様になるのは大きなメリットだ。
元々オーラ戦略は白緑青に、墓地活用は黒青赤に、レベルアップは白青黒に、ドローンは緑赤黒にそれぞれ存在するのだから、これらの効用を極大化するには、多色化するのが正しい。
イメージとしては各ギルドによって分かれていたラヴニカブロックに近く、ラヴニカでも2色でデッキを組む事が出来たが、環境に存在するコモンのマナフィックスによって、色をタッチした方がデッキが強くなると言う事は良くあった。
多色化によって起こるデメリットは、マリガンに弱くなり、デッキ全体の速度が落ちる。
また、普通はマナフィックスによってスロットがなくなるため、デッキに含まれる生物枚数が少なくなる。
生物枚数が少なくなると言う事は、その能力を生かすのに、ある程度の生物を必要とする、例えば《戦装飾のシャーマン/Battle-Rattle Shaman(ROE)》や《ゴブリンのトンネル掘り/Goblin Tunneler(ROE)》を上手くは使えなくなると言う事だ。
逆にメリットとしてはパワーピックがしやすくなり、組み上げるデッキタイプにもよるが、カードアドバンテージを獲得しやすくなる。
ピックの選択幅も広くなり、結果的に美味しいピックも多くなるだろう。
《戦装飾のシャーマン/Battle-Rattle Shaman(ROE)》は使いにくいだろうが、コントロールなら《護衛の任務/Guard Duty(ROE)》は強く使える。
マナフィックスによってスロットは圧迫されるだろうが、キャントリップで、デッキに含まれた真に強力なカードまで掘って行く事ができる。
と言う事で、多色デッキも一考に価する選択だとは思う。
さて。選択肢は示された。
結論は今後のピックの中で出して行こうと思う。
既にリミテッドが主戦場のGPリオンやPTサンファンが終了し、環境の輪郭も定まってきているはずである。
ZENドラフトに擬えるなら、ちょうど《面晶体集め/Hedron Scrabbler(ZEN)》がデッキに入り出したか、そうでないかくらいで、同じくリミテッドのGPであった、GP北九州でオオイソさんが過小評価されているカードに挙げている。
《面晶体集め/Hedron Scrabbler(ZEN)》は見た目の貧弱さと上陸能力のチープさから当初デッキ投入が躊躇われたが、環境に存在する《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder(ZEN)》や《刃牙の猪/Bladetusk Boar(ZEN)》への対策として、または単なる《灰色熊/Grizzly Bears(10E)》としてゼンディカー環境で活躍した。
若干判りにくい例えだとは思うが、発売後1ヶ月と言う時期は、「強いデッキタイプは判ってきたけれど、それに対する対策はまだ浸透していない時期」だと言う事が出来るだろう。
さて。それではRoEで強力だと思われるデッキタイプは何だろう。
僕の経験からすると、緑白ビートや青系の除去単コントロールが良いのではと思うのだが、昨日のピックにも見られる様に重篤な《予言のプリズム/Prophetic Prism(ROE)》依存症患者である僕には、冷静に環境を判断する能力は無い。
と言う事で、今回は外部の情報を参照する事で環境を把握し、彼我の差を埋めようと言うのが主旨である。
以下のリンクは公式ページのもの。
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Archive.aspx?tag=activity
さらに以下にDraft Viewer付きのものを抜き出した。
取りあえず1ヶ月分の情報を。
情報としては席順、ピック譜、デッキの内容、対戦結果と揃っているので、かなり質の良いものだ。
上記のDraft ViewerはChanpionShipのTop8であったり、Premiere EventのTop8であったり、PTのTop8であったりするので、卓参加者のレベルはかなり高いと思われる。
そのため、ピック1手1手の意図を理解するのは困難だが、席順とデッキ内容から、エルドラージ覚醒における理想的なデッキの形が見えてくるはずだし、対戦結果はそれぞれのアーキタイプの相性や、真に強力なアーキタイプは何かと言う問いにも答えてくれるはずだ。
残念なところは試合の形式がシングルエリミネーションと言う事と、試合の結果は残っているが、経緯は残っていない為、アーキタイプによらず、卓越したプレイングで勝利すると言うケースや、そもそもシャッフリング・デスでゲームにならなかったと言うケースがあるかも知れないが、そこまでは判らない。
そこらへんは仕方が無いので目を瞑る事にする。
時系列通りに見ていく事にして、まずは5/11のものを。
Draft Viewer: 5/11/2010
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/activity/448
このドラフトを制したのはJabsの黒赤ビート。
2体の《尊大な血王/Arrogant Bloodlord(ROE)》を除去/擬似除去でサポートするデッキと見るか、《カラストリアの血の長、ドラーナ/Drana, Kalastria Bloodchief(ROE)》《ニルカーナの亡霊/Nirkana Revenant(ROE)》でゲームを終わらせるまで時間を稼ぐデッキと見るか微妙なところ。
2体投入されている《逃亡した虚身/Escaped Null(ROE)》は防御的性格が強いため、後者との解釈が妥当か。
対戦は青赤レベル(Avantasian)に2-1
黒赤除去単(kilgoret)との《カラストリアの血の長、ドラーナ/Drana, Kalastria Bloodchief(ROE)》合戦を2-0で制して、最後は緑白オーラ(Batutinha)を2-0で破っている。
青赤はレベルアップが除去されてしまうと厳しく、緑白は《カラストリアの血の長、ドラーナ/Drana, Kalastria Bloodchief(ROE)》が出てくるとほぼゲームエンド。
サイズ的にも《逃亡した虚身/Escaped Null(ROE)》や《尊大な血王/Arrogant Bloodlord(ROE)》が大きく、スペルやシステムの分だけ有利だっただろう。
個人的な注目は黒赤除去単(kilgoret)で僕のお気に入りである《スフィンクスの骨の杖/Sphinx-Bone Wand(ROE)》を採用している。
しかし2色故に《夜霞/Nighthaze(ROE)》を採用しなければいけなかったり、本来はコントロールデッキなのだろうが、《戦装飾のシャーマン/Battle-Rattle Shaman(ROE)》が採用されているなど残念な所もある。
1戦目に緑白オーラ(Undergroundriverboa)を倒してきているのは《血の復讐/Vendetta(ROE)》《絶望の誘導/Induce Despair(ROE)》
そしてやはり《カラストリアの血の長、ドラーナ/Drana, Kalastria Bloodchief(ROE)》によるところが大きい様に思う。
両者のデッキとも良く出来ていると思う。
環境初期の黒の不人気を反映しての結果だろうか。
次にその1週間後5/19のものを。
Draft Viewer: 5/19/2010
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/activity/453
このドラフト制したのはPaanikaの黒赤ビート。
またしても黒赤ビートの登場である。
しかし前述の黒赤とはかなり趣きが異なる。
何と言ってもメインに2体投入された《死の信者/Death Cultist(ROE)》が異彩を放つ。
《葬儀甲虫/Mortician Beetle(ROE)》とのシナジーを意識しての事だろうが、どうなんだろうか・・・。
サイドボードに《本質の給餌/Essence Feed(ROE)》や2枚目の《魂うねりの精霊/Soulsurge Elemental(ROE)》を落としてまで採用されている点には意思を感じる。
その他には《カラストリアの血の長、ドラーナ/Drana, Kalastria Bloodchief(ROE)》と《髑髏砕き峡の王/Lord of Shatterskull Pass(ROE)》《征服するマンティコア/Conquering Manticore(ROE)》と言う豪華な面々が。
そう考えると《死の信者/Death Cultist(ROE)》とか割と関係ない気はする。
対戦は緑青タッチ《よろめきショック/Staggershock(ROE)》(bald_headed_doom)を2-0。
白青レベル(sodahucker)を2-1で、青黒レベル(By The Great Wind)を2-1で乗り越えた。
やはりデッキコンセプトを優先するあまり、弱すぎるパーツを入れているのが問題なのだろう。
と言うかデッキコンセプト自体が弱い気がする。
逆に面白いのは《アクームの岩足/Akoum Boulderfoot(ROE)》の採用で、6マナ4/5と言う微妙なスペックながら、そのETB能力ゆえに人権があるようだ。
個人的にはナイスサイドボード程度の扱いだったが、認識を改める必要があるかも知れない。
白青レベル(sodahucker)はかなり強そうなデッキだが、やはりシステムに触れないのは辛そうだ。
こうして見ると白のインスタントはかなりのションボリである。
そうするとやはり何かしらタッチするべきなのだろう。
さて次。
Draft Viewer: 5/26/2010
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/activity/458
3週目にしてやっと黒赤ではない覇者の登場。
このドラフトを制したのはRussiaの青赤。
デッキリストを見ると地上を固めてシステムで勝つタイプのデッキで非常にきれいな印象を受ける。
特に3枚投入された《海門の神官/Sea Gate Oracle(ROE)》はデッキの補助エンジン。
ここから序盤の守りを固め、迅速にシステムを調達してくる。
《海門の神官/Sea Gate Oracle(ROE)》が運んでくるだろうスペルも《炎の斬りつけ/Flame Slash(ROE)》《睡眠発作/Narcolepsy(ROE)》《剥奪/Deprive(ROE)》と相手の爆弾に対処できるようになっている。
それ以外は各種システムか《マゴーシのスフィンクス/Sphinx of Magosi(ROE)》の様な爆弾だ。
採用されている生物群から、ここまで《マーフォークの空偵者/Merfolk Skyscout(ROE)》が強く見えるデッキも珍しい。
非常にきれいなデッキだが、その一方で疑問も残る。
まずはサイドに落とされた《全ては塵/All Is Dust(ROE)》
確かに対応できないパーマネントがある事や勝っている場では役に立たないと言う事はあるが、このデッキでは
勝っている=システムが有効に機能している
と言う事であり、相手に押し込まれた時に対応できると言うメリットの方が大きい様に思える。
それから《進化する未開地/Evolving Wilds(ROE)》が採用されておらず、かつ土地が16枚である事。
《海門の神官/Sea Gate Oracle(ROE)》が3枚いると言っても16枚と言う枚数は切り詰められた数字だ。
僕なら《産卵の息/Spawning Breath(ROE)》を1枚抜いて《進化する未開地/Evolving Wilds(ROE)》にするが・・・。
対戦は
2-1緑赤タッチ《暁輝きの発動者/Dawnglare Invoker(ROE)》(OniSlave)
2-0黒白エルドラージ(The_Great_Dustini)
2-1白青レベル(Diabolic_goat)
をそれぞれ倒している。
白青レベル(Diabolic_goat)はコストの踏み倒しをほとんど行なわない誠実なレベルアップで、とても養えるとは思えない数のレベルアップを入れている。
特に《イキーラルの先導/Ikiral Outrider(ROE)》×3とか大丈夫なんだろうか・・・。
確かにデッキに1枚の《敬慕される教師/Venerated Teacher(ROE)》が引ければそれで良いのではあるが。
Diabolic_goatは黒赤エルドラージ(Mook84)と白緑赤(SAI)をそれぞれ2-0で下しているので、デッキか、プレイヤーか、もしくは《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura(ROE)》が強いはずなのだが、良く判らない。
僕が考えるよりもがっちり系のレベルアップは強いと言う事か。
そうなら《魂縛りの守護者/Soulbound Guardians(ROE)》がサイドに落ちているのはちょっと不可思議。
黒白エルドラージも《進化する未開地/Evolving Wilds(ROE)》をサイドに落としているんだけど何でかなぁ・・・。
《ウラモグの手先/Pawn of Ulamog(ROE)》《尊大な血王/Arrogant Bloodlord(ROE)》と黒が濃い目なのだし、入れて損はないと思うのだけれど。
謎である。
次はついにやってきてしまったPTサンファン。
Draft Viewer: 6/02/2010(PTサンファン)
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/activity/463
正直これ良く判らなかったんだよな。
このドラフトを制したのはご存知PVことPaulo Vitor Damo da Rosaの黒緑エルドラージ。
以前にも書いたが、このデッキの構成は極めてヘビー。
一応序盤から何も出来ないという構成ではないが、一見してあまり強い様には見えなかった。
と言う事で対戦成績を見ていこう。
ドラフトのデッキの強さは、あくまでも周囲との相対的な差だからだ。
3-2緑青赤エルドラージ(Josh Utter-Leyton)
3-1白青レベル(Noah Swartz)
3-2青黒レベル(Guillaume Matignon)
ほとんどフルセット戦った試合ばかり。
この時PVは後手を選択し続けたらしく非常に驚かされた。
それだけトッププレイヤーの認識が「環境は遅い」と言うものだったからだ。
Josh Utter-Leytonのデッキは緑青タッチ《よろめきショック/Staggershock(ROE)》《戦いへの欲望/Lust for War(ROE)》
デッキに搭載された多くのマナブーストから《軟体の起源/Gelatinous Genesis(ROE)》や《ウラモグの破壊者/Ulamog’s Crusher(ROE)》につなげる。
その一撃は重たいし、それをきちんと調達してくる要素もあるのだけれど、必殺技の1つが回避されてしまうと、途端に苦しくなる。
《記憶の壁/Mnemonic Wall(ROE)》があればもっと良いデッキだっただろう。
Noah Swartzの白青レベルは非常に優秀な生物群を少数のスペルでサポートする形。
レベルアップは、《敬慕される教師/Venerated Teacher(ROE)》などのエンジン部分が引けなかった場合に、相手の足を止めておく必要がある。
そのため《護衛の任務/Guard Duty(ROE)》《強打/Smite(ROE)》と言った防御的な要素がきちんと用意されているのは好感が持てる。
個人的には良いデッキだと思うが、PVには勝てなかったようだ。
Guillaume Matignonの青黒レベルは非常に強力に仕上がっていると思うのだが・・・。
Noah Swartzの白青レベルと比較しても、システム、スペルの両面で青黒レベルに軍配が上がると思う。
システムはともかくとして、白と黒のスペルの格差が出ていて非常に面白い。
とは言うもののPVが何で勝てたのかは、やっぱり謎だった・・・。
そしてこれがつい昨日の結果。
エルドラージ覚醒ドラフトの現状がここにある。
Draft Viewer: 6/09/2010
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/activity/468
このドラフトを制したのは・・・flyingbearの白青レベル!
遂に黒でも赤でもないデッキの登場だ。
デッキはきれいな白青で、《海門の神官/Sea Gate Oracle(ROE)》が採用されている事で従来のものより安定性が向上している。
白青レベルの序盤が弱い事を考えると《海門の神官/Sea Gate Oracle(ROE)》は非常に重宝する。
それ以外で面白いのは《失脚/Oust(ROE)》の不採用。
それを押しのける形で《強打/Smite(ROE)》が採用されている事を考えると若干の違和感があるが、一時的に《硫黄石の魔道士/Brimstone Mage(ROE)》や《飛び地の暗号術士/Enclave Cryptologist(ROE)》に対処するよりも恒久的に大型生物に対処できた方が良いと言う判断なのだろう。
もしくは《ハイエナの陰影/Hyena Umbra(ROE)》か。
《族霊導きの鹿羚羊/Totem-Guide Hartebeest(ROE)》の影響もあるだろうが《失脚/Oust(ROE)》を押しのける評価を《ハイエナの陰影/Hyena Umbra(ROE)》が受けているのは面白い。
対戦は
緑赤(elambert24) 2-1
青緑オーラ(Cry Baby Quinn) 2-1
赤黒(Fearless1) 2-1
と全てのマッチを戦い抜いて倒してきている。
緑赤には相手も中速なので、先手/後手が勝負を分けそうに見える。
白青側に有利なのは、メインも、サイド後もほとんど飛行は止まらない事。
ただ、序盤に《バーラ・ゲドの獣壊し/Beastbreaker of Bala Ged(ROE)》などの打点の高い生物が出てきてしまうと早急に対処しないとそのまま負けてしまう。
それ以外なら《族霊導きの鹿羚羊/Totem-Guide Hartebeest(ROE)》でほとんどの場合、相手の主力を2体無効化できそうだ。
青緑オーラはお互い回避能力での叩きあい。
《暁輝きの発動者/Dawnglare Invoker(ROE)》と《英雄の時/Time of Heroes(ROE)》分だけ有利と言った感じ。
最終戦の赤黒は《黒死病の悪魔/Pestilence Demon(ROE)》が出てくるとそのまま負けたり、《バーラ・ゲドの蠍/Bala Ged Scorpion(ROE)》がかなりの部分に刺さって辛そうな雰囲気だが、どうやって勝ったんだろう。
白青レベル特有なブン周りくらいしかない気がするが・・・。
と言う訳で約1ヶ月分を駆け足で見て行ったが、最初の2週間程度は、レア+除去デッキの独壇場と言った感じだったが、青赤が優勝したあたりから黒赤以外のデッキの完成度も上がってきたように思う。
色の評価として弱い部類に入るのはやはり白で、目立った活躍を見せられないままだ。
逆に黒はと言うと前評判を覆し、堂々の活躍ぶりである。
生物の貧弱さは他の色でカバーし、除去とシステムの優秀さを生かしている。
相方は白以外の3色と相性が良く、白ともそう悪い訳ではない。
ただ、黒の生物の線の細さを、同じく線の細い白が補えるかと言うと微妙なところであり、オーラを使うにしても黒のオーラは貧弱だ。
意外に結果を残せていないのが緑で、結果を残しているのはPVが使った黒緑だけ。
卓でドラフトされすぎているのか、デッキの開発が遅れているのか定かではないが、緑を使う場合はビッグマナデッキになりやすく、それが除去単に強い訳でもレベルに強い訳でもないのが問題のような気はする。
除去単に強くするためには《死者のインプ/Cadaver Imp(ROE)》などが活用できる黒か、除去単側がトークンまで処理しなければならなくなる《略奪の爆撃/Raid Bombardment(ROE)》の採用が鍵になるかも知れない。
レベル相手には序盤と中盤を厚くする事。きちんと《帰化/Naturalize(ROE)》を取っておく事など、何にせよ一工夫必要になるだろう。
結果を踏まえると有効なアーキタイプは
黒/赤/青のコントロール、またはビートが最有力で、ついで青黒/白青のレベルアップが続く。
その次が緑絡みのビッグマナと言う事になるだろうか。
もちろん、取り上げたサンプル数が少なすぎると言う事はあるだろう。
ところで。
《予言のプリズム/Prophetic Prism(ROE)》の姿は・・・?
今のところ緑意外でタッチ3色目を導入しているデッキはほとんど見ない。
その緑系にしてからが、そもそも勝ちきれていないところを見ると、やはり多色化などと言うのは幻想に過ぎないのか・・・。
と思ったら。
http://blogs.yahoo.co.jp/poorcat12/52264161.html
上記リンクに僕同様、積極的に多色化を推進されている方が。
多色化して《記憶の壁/Mnemonic Wall(ROE)》や《族霊導きの鹿羚羊/Totem-Guide Hartebeest(ROE)》を最大限に活用出来る様になるのは大きなメリットだ。
元々オーラ戦略は白緑青に、墓地活用は黒青赤に、レベルアップは白青黒に、ドローンは緑赤黒にそれぞれ存在するのだから、これらの効用を極大化するには、多色化するのが正しい。
イメージとしては各ギルドによって分かれていたラヴニカブロックに近く、ラヴニカでも2色でデッキを組む事が出来たが、環境に存在するコモンのマナフィックスによって、色をタッチした方がデッキが強くなると言う事は良くあった。
多色化によって起こるデメリットは、マリガンに弱くなり、デッキ全体の速度が落ちる。
また、普通はマナフィックスによってスロットがなくなるため、デッキに含まれる生物枚数が少なくなる。
生物枚数が少なくなると言う事は、その能力を生かすのに、ある程度の生物を必要とする、例えば《戦装飾のシャーマン/Battle-Rattle Shaman(ROE)》や《ゴブリンのトンネル掘り/Goblin Tunneler(ROE)》を上手くは使えなくなると言う事だ。
逆にメリットとしてはパワーピックがしやすくなり、組み上げるデッキタイプにもよるが、カードアドバンテージを獲得しやすくなる。
ピックの選択幅も広くなり、結果的に美味しいピックも多くなるだろう。
《戦装飾のシャーマン/Battle-Rattle Shaman(ROE)》は使いにくいだろうが、コントロールなら《護衛の任務/Guard Duty(ROE)》は強く使える。
マナフィックスによってスロットは圧迫されるだろうが、キャントリップで、デッキに含まれた真に強力なカードまで掘って行く事ができる。
と言う事で、多色デッキも一考に価する選択だとは思う。
さて。選択肢は示された。
結論は今後のピックの中で出して行こうと思う。
コメント
3日ほどかけてじっくり読ませていただきます。
ざっと読んだだけでも、頭の中がだいぶ揺さぶられました。
ゆっくり読ませてもらいます
この環境のドラフトはやればやるほど面白さがわかっていいですね
進化する未開地>自分は取ったことすらない。8マナ欲しい環境で、タップイン+圧縮効果・・・土地が要らない環境ではないし、シンボルも薄いので
入れたいデッキがないですね。三色以上だとプリズム(重要パーツ)で十分何とかなる。っていうのが自分の見解です。
>listenerさん
まとめようとした情報量が思いの外多くて、単純に情報をなぞっただけになってしまいました・・・。
このエントリでは出来ていませんが、卓参加者のピック譜を見ていくと、もっと面白いと思います。
それで、何か面白い事があったら、またエントリで書いて下さると嬉しいです。
>オラティスさん
エルドラージ覚醒のドラフトは面白いですよね!
最初、セットの情報を見た時は「滅殺」効果でクソ環境かと思いましたが、そんな事はなかった・・・と思います。
もっと環境が成熟すれば、そうなるのかも知れませんがw
セットに入っているカードに色々な方向性があるので、面白いのかな?と思います。
>ろせさん
《アクームの岩足/Akoum Boulderfoot(ROE)》はアンコモンながらパック後半で取れると言うのと、色が赤なのが良いですね。
6マナと言うのも緑なら3→6とか4-6のジャンプがあるので、評価に値すると思います。
>《進化する未開地/Evolving Wilds(ROE)》
ろせさんは不採用ですか。
僕はキープ基準が楽になるので、今までほぼ無条件で採用してきました。
ピックしたけど入れなかったのは緑単を組んだ時だけで、その時はキープ基準にも影響しないし、タップインはマナカーブ通りに展開するのを阻害するのでデメリットの方が大きいと判断したためです。
ゼンディカー環境でカラーホードがタイトだった時の感覚が残っているのもあると思いますが、初手にあるならほとんど展開を阻害しないし、良いんじゃないかなぁと思います。
ただ、どうしても8マナ欲しいような場合には、10ターン後くらいを考えても10%前後の差があるので、あえて入れないと言う選択もあるかも知れません。
>圧縮することで土地の伸びを止めてしまう。
これは抜けていた視点でした。
プリズムはうれしいけど、
未開地はなんとなく嫌な印象だったのはそのせいかも。
未開地入れるときは1枚多めに土地を挿すようにします。
それでもタップインのデメリットはかわりませんが。
そうですね。
圧縮効果も良し悪しなので、自分のデッキ構成と運用を考えて、採用を決定されるのが良いと思います。