果たして楽しめるのか。僕はそう自問する。
なぜか。
それはそう自問せざるを得ないほど多くのイベントが待っているからである。
日本選手権予選。
GPT仙台。
MOでのエルドラージ覚醒リリースイベント。
そしてGP仙台本番。
待ち受ける数々のイベント達。それらの何が問題なのか。
そう。問題は僕自身の性質にある。
生来僕はマルチタスクは苦手なのだ。
仕事に打ち込む時には仕事に。
リミテッドに打ち込む時にはリミテッドに。
構築に打ち込む時には構築にその身を捧げるのが僕のスタイルだ。
全力を投じずして納得などできるはずもない。
それが今回はどうだろう。
果たして打ち込めていると言えるだろうか。
思えば3月中頃にGP仙台に参加する事を決意して以来、若干スタンダードのデッキを齧っては妄想に浸りジャンド、と言うか《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf(ARB)》強いなーなどと日本全国はおろか、世界各国で使い古された表現で現環境を理解した風を匂わせつつ、しかし何も理解していないと言う不毛な日々を送っていたのだ。
ちなみに直近の大会では閃光を放つような0-2光速ドロップを決めている。
何よりも経験が不足しているのだから、ドロップなどせずに戦い続けるべきだったか・・・。
思うに、自分は何かを理解している、と言う思い込みほど手強い相手はいない。
実際にはほとんど大会に参加することなく、さらに一人回しもせずに、自分でデッキ構築を経験もしないで、環境が理解できるほどMTGの世界は浅くないのである。
それでも僕は日々多くの情報をそれこそ貪るように収集している。
各地で行なわれた大会の結果。
それらのベスト8の情報。
実際に大会に参加したレポート。
そのために用意されたデッキのレシピやサイドボードプラン。
それぞれの人の環境に対する感想や展望などなど。
このような膨大な情報先行が、何を可能にするか。
それぞれのデッキのメイン構成、土地バランス、マナバランスから、そのデッキの出来る事、出来ない事を想定する。
・・・そしてリアルシャドー!
この一人で完結された脳内空間で日々繰り返される戦いは、対戦相手はもとより、プロキシーで作成されたデッキすら必要としない。
度を越えたスリーブ愛好家であり、何よりも新品スリーブを愛し(現在はUltraProの黒を愛用)スリーブの磨耗を最も嫌悪する僕が完成させた究極の一人回しである。
それは完全に脳内で行われるが故に互いの手の内を知り尽くし、最善を尽くす事を強要される。
故にマリガンは無く、赤単においては1t目《ゴブリンの先達/Goblin Guide(ZEN)》が当たり前であり、青白なら確実に《広がりゆく海/Spreading Seas(ZEN)》が飛び出し、《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf(ARB)》は常に完全無欠の究極生命体である。
当然勝つのは先手であり、この事からこの環境は先手ゲーであると結論付けられる・・・。
何言ってんだ。こいつ。大丈夫か。
そんな妄言はさておいて。
現環境を支配しているのは、ジャンドと青白であると言うところから出発し、何は無くともジャンドに勝とうとすると、やはり選択されるのは土地破壊である。
最近では良く見かけるようになった《広がりゆく海/Spreading Seas(ZEN)》を使おうとすれば青は外せない。
さらにエルドラージ覚醒で《汚染された地/Contaminated Ground(ROE)》を得た黒が次点か。
昨今の土地破壊はほとんどが4マナ帯であり、相手に先手を取られれば《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf(ARB)》に届いてしまう。
《不屈の自然/Rampant Growth(M10)》が採用されるタイプのジャンドなら尚更である。
そこで、黒を採用すれば《汚染された地/Contaminated Ground(ROE)》に続いて《涙の雨/Rain of Tears(10E)》・・・おかしい。辞書機能の故障か・・・?M10が出てこないぞ・・・。
え。落ちたの!?
うおお。つい最近まで
「《石の雨/Stone Rain(9ED)》が落ちたのに僕は残ったんだよ!」と誇らしげに笑っていたのに・・・。
何てことだ。
僕はあのみz・・・実名はマズイので仮にMとしよう。
僕はあのMと同じ道を歩もうとしていたのか。
Mはその昔、インベイジョンブロック構築においてZvi Mowshowitzが開発したSolutionをなおも黒赤で打ち破ろうと《次元の絶望/Planar Despair(APC)》(黒赤の5マナ帯には強力な《虚空/Void(TSB)》があるため、割とクソカードだった。)を採用した黒赤(後に黒赤白)通称「セミ」を開発した事から、当人もセミと呼ばれるようになった。
参考画像
http://dl.dropbox.com/u/6410363/semi.jpg
(中央の人物?がセミに似ている事からセミと呼ばれる。ちなみに背後の人物はヨーグモス)
セミは《次元の絶望/Planar Despair(APC)》の採用理由を「誰も名前を知らなくて《翻弄する魔道士/Meddling Mage(ARB)》に強いから」と述べている。
後期型には《総くずれ/Rout(INV)》《死のわしづかみ/Death Grasp(APC)》が採用される事になり、さらにデッキパワーを強めると見せかけてダメージランドからの被ダメが甚大になり、結局トリコロールにも他のカラーのビートにも勝てなかったウソリューションの走りでもあった。
さて。そんなセミであるが、ある日意気揚々と店舗大会に現れた。
環境はオデッセイ環境後期。
《蓄積した知識/Accumulated Knowledge(NEM)》《嘘か真か/Fact or Fiction(INV)》を失ってなお隆盛を誇ったサイカトグが支配した時代だった。
その時、セミは上機嫌に「この環境のソリューションを見つけたんだ」と嬉しそうに語った。
前科があるだけに、誰もが口には出さないものの、それがウソリューションである事を半ば確信していた。
そして第一試合。
セミはサイカトグを使用し、同じく相手もサイカトグをプレイしていた。
どちらもカードアドバンテージを獲得するために《綿密な分析/Deep Analysis(TOR)》あるいは《集中/Concentrate(ODY)》がデッキに入っている。
仮にフルタップしたとしてもお互いのデッキには《サイカトグ/Psychatog(ODY)》に対抗するための除去が含まれているので、致命的な事になる事は少ない。
十分にマナがなければ《激動/Upheaval(ODY)》が通っても盤面は平らなままだ。
序盤の応酬が終わり、相手が《サイカトグ/Psychatog(ODY)》をコントロールした状態で、《綿密な分析/Deep Analysis(TOR)》をフラッシュバック。
セミがそれを妨害し、相手も応じてフルタップ。《綿密な分析/Deep Analysis(TOR)》は解決された。
が、セミは異常なほど自信を漲らせ《霊気の噴出/Aether Burst(ODY)》を《サイカトグ/Psychatog(ODY)》に。
そして次のターン。セミが勝利の確信と共にプレイしたスペルは
《ロボトミー/Lobotomy(INV)》!
当然、指定は手札に戻した《サイカトグ/Psychatog(ODY)》である。
勝った!セミは自分の勝利を確信した。
そしてセミを除く全員も勝利を確信した。
・・・もちろん対戦相手の、である。
そう。環境はオデッセイ環境後期。
その時代の流れは《嘘か真か/Fact or Fiction(INV)》のみならず、《ロボトミー/Lobotomy(INV)》も過去のものに変えていたのだった。
そして、セミはその日から《セミトミー/semitomy(M)》と呼ばれる事になる。
《セミトミー/semitomy(M)》の故事を知る者は、皆知っている。
一見それがソリューションに見えたとしても、用心しなくてはいけない。
それはウソリューションなのかも知れないし、ありもしない過去の幻想を見ているのかも知れないからだ。
《セミトミー/semitomy(M)》は教えているのである。
机上の空論の恐ろしさを。
希望の光を望む人間の脆さを。
と言う事で《涙の雨/Rain of Tears(10E)》は気のせいだった・・・。
と言うかそれ以前の問題だった。
本当にスタンダードやる気があるのか僕は。
やる気なら、ある。
「やるからには楽しむ」と言うのが、現在の僕のスタンスである。
確かに日本選手権予選の準備とGP仙台の準備をしつつエルドラージ覚醒のドラフトも研究していくと言うのは難しいだろう。
だが、やる前から心が折れてしまっては何にもならない。
妄想の中だからこそ《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf(ARB)》が暴力的なまでに強力だったり、青白が完全無欠なデッキに見えたりする事もあるだろう。
変身デッキなど、常に3t目に《エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria(ZEN)》降臨である。
やはり実戦経験を積むべきだし、それを経ずして護身完成などと言っている場合ではない。
煮詰まってしまった時こそ行動が必要なのだ。
と言う訳でスタンダードの練習を本格化しようと思う。
まずはこの環境を代表するジャンドと青白から。
エルドラージ覚醒のドラフトはMOでリリースイベントが始まってから考えよう。
それは水曜日。もう目前まで迫っている。
なぜか。
それはそう自問せざるを得ないほど多くのイベントが待っているからである。
日本選手権予選。
GPT仙台。
MOでのエルドラージ覚醒リリースイベント。
そしてGP仙台本番。
待ち受ける数々のイベント達。それらの何が問題なのか。
そう。問題は僕自身の性質にある。
生来僕はマルチタスクは苦手なのだ。
仕事に打ち込む時には仕事に。
リミテッドに打ち込む時にはリミテッドに。
構築に打ち込む時には構築にその身を捧げるのが僕のスタイルだ。
全力を投じずして納得などできるはずもない。
それが今回はどうだろう。
果たして打ち込めていると言えるだろうか。
思えば3月中頃にGP仙台に参加する事を決意して以来、若干スタンダードのデッキを齧っては妄想に浸りジャンド、と言うか《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf(ARB)》強いなーなどと日本全国はおろか、世界各国で使い古された表現で現環境を理解した風を匂わせつつ、しかし何も理解していないと言う不毛な日々を送っていたのだ。
ちなみに直近の大会では閃光を放つような0-2光速ドロップを決めている。
何よりも経験が不足しているのだから、ドロップなどせずに戦い続けるべきだったか・・・。
思うに、自分は何かを理解している、と言う思い込みほど手強い相手はいない。
実際にはほとんど大会に参加することなく、さらに一人回しもせずに、自分でデッキ構築を経験もしないで、環境が理解できるほどMTGの世界は浅くないのである。
それでも僕は日々多くの情報をそれこそ貪るように収集している。
各地で行なわれた大会の結果。
それらのベスト8の情報。
実際に大会に参加したレポート。
そのために用意されたデッキのレシピやサイドボードプラン。
それぞれの人の環境に対する感想や展望などなど。
このような膨大な情報先行が、何を可能にするか。
それぞれのデッキのメイン構成、土地バランス、マナバランスから、そのデッキの出来る事、出来ない事を想定する。
・・・そしてリアルシャドー!
この一人で完結された脳内空間で日々繰り返される戦いは、対戦相手はもとより、プロキシーで作成されたデッキすら必要としない。
度を越えたスリーブ愛好家であり、何よりも新品スリーブを愛し(現在はUltraProの黒を愛用)スリーブの磨耗を最も嫌悪する僕が完成させた究極の一人回しである。
それは完全に脳内で行われるが故に互いの手の内を知り尽くし、最善を尽くす事を強要される。
故にマリガンは無く、赤単においては1t目《ゴブリンの先達/Goblin Guide(ZEN)》が当たり前であり、青白なら確実に《広がりゆく海/Spreading Seas(ZEN)》が飛び出し、《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf(ARB)》は常に完全無欠の究極生命体である。
当然勝つのは先手であり、この事からこの環境は先手ゲーであると結論付けられる・・・。
何言ってんだ。こいつ。大丈夫か。
そんな妄言はさておいて。
現環境を支配しているのは、ジャンドと青白であると言うところから出発し、何は無くともジャンドに勝とうとすると、やはり選択されるのは土地破壊である。
最近では良く見かけるようになった《広がりゆく海/Spreading Seas(ZEN)》を使おうとすれば青は外せない。
さらにエルドラージ覚醒で《汚染された地/Contaminated Ground(ROE)》を得た黒が次点か。
昨今の土地破壊はほとんどが4マナ帯であり、相手に先手を取られれば《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf(ARB)》に届いてしまう。
《不屈の自然/Rampant Growth(M10)》が採用されるタイプのジャンドなら尚更である。
そこで、黒を採用すれば《汚染された地/Contaminated Ground(ROE)》に続いて《涙の雨/Rain of Tears(10E)》・・・おかしい。辞書機能の故障か・・・?M10が出てこないぞ・・・。
え。落ちたの!?
うおお。つい最近まで
「《石の雨/Stone Rain(9ED)》が落ちたのに僕は残ったんだよ!」と誇らしげに笑っていたのに・・・。
何てことだ。
僕はあのみz・・・実名はマズイので仮にMとしよう。
僕はあのMと同じ道を歩もうとしていたのか。
Mはその昔、インベイジョンブロック構築においてZvi Mowshowitzが開発したSolutionをなおも黒赤で打ち破ろうと《次元の絶望/Planar Despair(APC)》(黒赤の5マナ帯には強力な《虚空/Void(TSB)》があるため、割とクソカードだった。)を採用した黒赤(後に黒赤白)通称「セミ」を開発した事から、当人もセミと呼ばれるようになった。
参考画像
http://dl.dropbox.com/u/6410363/semi.jpg
(中央の人物?がセミに似ている事からセミと呼ばれる。ちなみに背後の人物はヨーグモス)
セミは《次元の絶望/Planar Despair(APC)》の採用理由を「誰も名前を知らなくて《翻弄する魔道士/Meddling Mage(ARB)》に強いから」と述べている。
後期型には《総くずれ/Rout(INV)》《死のわしづかみ/Death Grasp(APC)》が採用される事になり、さらにデッキパワーを強めると見せかけてダメージランドからの被ダメが甚大になり、結局トリコロールにも他のカラーのビートにも勝てなかったウソリューションの走りでもあった。
さて。そんなセミであるが、ある日意気揚々と店舗大会に現れた。
環境はオデッセイ環境後期。
《蓄積した知識/Accumulated Knowledge(NEM)》《嘘か真か/Fact or Fiction(INV)》を失ってなお隆盛を誇ったサイカトグが支配した時代だった。
その時、セミは上機嫌に「この環境のソリューションを見つけたんだ」と嬉しそうに語った。
前科があるだけに、誰もが口には出さないものの、それがウソリューションである事を半ば確信していた。
そして第一試合。
セミはサイカトグを使用し、同じく相手もサイカトグをプレイしていた。
どちらもカードアドバンテージを獲得するために《綿密な分析/Deep Analysis(TOR)》あるいは《集中/Concentrate(ODY)》がデッキに入っている。
仮にフルタップしたとしてもお互いのデッキには《サイカトグ/Psychatog(ODY)》に対抗するための除去が含まれているので、致命的な事になる事は少ない。
十分にマナがなければ《激動/Upheaval(ODY)》が通っても盤面は平らなままだ。
序盤の応酬が終わり、相手が《サイカトグ/Psychatog(ODY)》をコントロールした状態で、《綿密な分析/Deep Analysis(TOR)》をフラッシュバック。
セミがそれを妨害し、相手も応じてフルタップ。《綿密な分析/Deep Analysis(TOR)》は解決された。
が、セミは異常なほど自信を漲らせ《霊気の噴出/Aether Burst(ODY)》を《サイカトグ/Psychatog(ODY)》に。
そして次のターン。セミが勝利の確信と共にプレイしたスペルは
《ロボトミー/Lobotomy(INV)》!
当然、指定は手札に戻した《サイカトグ/Psychatog(ODY)》である。
勝った!セミは自分の勝利を確信した。
そしてセミを除く全員も勝利を確信した。
・・・もちろん対戦相手の、である。
そう。環境はオデッセイ環境後期。
その時代の流れは《嘘か真か/Fact or Fiction(INV)》のみならず、《ロボトミー/Lobotomy(INV)》も過去のものに変えていたのだった。
そして、セミはその日から《セミトミー/semitomy(M)》と呼ばれる事になる。
《セミトミー/semitomy(M)》の故事を知る者は、皆知っている。
一見それがソリューションに見えたとしても、用心しなくてはいけない。
それはウソリューションなのかも知れないし、ありもしない過去の幻想を見ているのかも知れないからだ。
《セミトミー/semitomy(M)》は教えているのである。
机上の空論の恐ろしさを。
希望の光を望む人間の脆さを。
と言う事で《涙の雨/Rain of Tears(10E)》は気のせいだった・・・。
と言うかそれ以前の問題だった。
本当にスタンダードやる気があるのか僕は。
やる気なら、ある。
「やるからには楽しむ」と言うのが、現在の僕のスタンスである。
確かに日本選手権予選の準備とGP仙台の準備をしつつエルドラージ覚醒のドラフトも研究していくと言うのは難しいだろう。
だが、やる前から心が折れてしまっては何にもならない。
妄想の中だからこそ《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf(ARB)》が暴力的なまでに強力だったり、青白が完全無欠なデッキに見えたりする事もあるだろう。
変身デッキなど、常に3t目に《エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria(ZEN)》降臨である。
やはり実戦経験を積むべきだし、それを経ずして護身完成などと言っている場合ではない。
煮詰まってしまった時こそ行動が必要なのだ。
と言う訳でスタンダードの練習を本格化しようと思う。
まずはこの環境を代表するジャンドと青白から。
エルドラージ覚醒のドラフトはMOでリリースイベントが始まってから考えよう。
それは水曜日。もう目前まで迫っている。
コメント
一人回しをするならMWSが便利ですよ~。
生まれたアイデアは秘匿したりせずに、ある程度公開して成長させるべきだという事もあると思います。
そうすればこんな事にはならなかったのに・・・。
>MWS
以前導入しようとして、パッチの当て方が分からず挫折しましたw
相当昔の事でPCの事とか分からない状態だったので、今なら導入できるかも知れません。
やってみようかなー。
それともMOに金をぶち込んでデッキを作ろうかな。
迷うところです。