マナカーブって何だろう
2010年2月17日 TCG全般 コメント (2)arthfingさんのHPより。ワールドウェイク、Magic Onlineリリース・イベントの情報が記載されている。
http://bastermtg.blog117.fc2.com/blog-entry-510.html
いよいよMOでもWWKが解禁間近!
僕は基本的に英語が読めないため、こう言った情報を和訳して下さるのは大変助かる。
いつもありがとうございますm(_ _)m
さて。マナカーブについて。
突然何をと思われるかも知れないが、DN内で、ゼンディカー環境のマナコスト毎の生物分布からマナカーブを考察されているエントリがあって、大変興味深かった。
特に、いつもドラフトをしている僕にとっては要チェックだ。
MTGは確率の影響下にあるために、自分が取った行動が正しいかどうかは、事後的にしか評価する事が出来ない。
でも誰もが全てを運命に差し出せる覚悟を持っている訳ではない。
むしろ失敗を恐れる。それを運だと割り切る事が出来ない。
だから確率の影響下にある事を意識すればするほど、それを認めたがらないほど、確かな(もしくは確かだと思える)理論を求めるのだとも言える。
僕は日常的に「マナカーブが・・・」とか「テンポデッキだから・・・」などと書いたり話したりしているが、いまいちその実体を理解しているとは言い難い。
マナカーブとは何か。
最初に頭に思い描くのは、毎ターンマナを使い切るために考案されたとされる「スライ」のマナカーブ。
ここから、マナカーブと言う言葉がテンポと言う言葉を想起させるのは自然だとも言える。
もっと広範の意味においてマナカーブとは以下の様に定義されるようだ。
MTGWikiより引用。なんだか随分単純な概念だ。
これだけを見るとマナカーブに良いも悪いも無い。
マナカーブは、それ自身を目的とはしない。
ある目的を持って組まれたデッキが、果たしてその目的を達成するのに適しているのかどうかを判断するための概念だと言える。
だからデッキのマナカーブだけを取り上げて、そのデッキを判断する事は出来ない。
マナカーブ自身は、ただのマナコストの分布を示すものだからだ。
マナカーブと言う概念は、デッキに含まれる諸要素と一緒に判断して初めて意味があると言える。
例えば、序盤に戦力を展開して相手を圧倒する攻勢押し切り型のデッキは、迅速に脅威を用意するためにマナカーブ自体を低く抑える必要がある。
逆に序盤を耐えて後半に逆転をするタイプのデッキは序盤を耐えるためのカードと共に(重い=カードパワーが高いを前提として)後半用の重いカードも必要になるはずだ。
もしもマナカーブ自身に意味があるのだとしたら、2マナ2/2の生物が氾濫する環境においても3マナ2/2を使用する事が肯定されてしまう。この事は直感に反する。
この事からドラフトにおけるマナカーブを規定するのは、その環境に存在するプールだ。
この事はドラフトにおける優位な戦略を規定するのは、その環境に存在するプールだと言う事に等しい。
全く当たり前の事を言っているだけになってしまった。
例えば、ラヴニカ環境においては各種印鑑の存在と、ほとんどどの色の組み合わせにも存在した4マナ3/3の存在によって、いわゆる熊は採用され辛い環境だった。
(例外的にボロスカラーに積極的に採用された)
またモーフが氾濫し、使用可能なレベルのスペルが少なかったオンスロート環境において《栄光の探求者/Glory Seeker(ONS)》や《エルフの戦士/Elvish Warrior(ONS)》のインパクトは他の環境よりも大きい。
タイムスパイラルにおいて導入された待機。
帰ってきたエコーやマッドネスもそれぞれマナカーブを規定する存在だったと言える。
そしてゼンディカー環境。
ゼンディカー環境を支配するのは上陸であり、同盟者であり、単体強化型エンチャントであり、装備品であり、除去である。
この中でも特に上陸は攻撃時においてマナ効率が大きく跳ね上がる性質を有しており、果たして実際に行われる構築においてマナカーブが説明可能な領域がどれだけ残っているかと言う疑問もある。
攻勢押し切り形のデッキが《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator(ZEN)》を使うのは、ゲームの初期ライフが20だからであり、相手よりも自分のデッキがダメージ効率に優れると想定するからである。
仮に初期ライフが10だったらもっと使われるだろう。
防御的なコントロールデッキが《ニッサに選ばれし者/Nissa’s Chosen(ZEN)》や《クラーケンの幼子/Kraken Hatchling(ZEN)》を使うのは、相手が《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator(ZEN)》や《板金鎧の土百足/Plated Geopede(ZEN)》を使うからである。
マナカーブと言う概念が、マナコスト=性能とは一概には言えない、ゼンディカー環境やタイムスパイラルブロックではあまり有意に説明を行えないとしたら、他の概念で説明可能なのだろうか。
現状において、僕が持っている知識の中から有意な説明をするとしたら、やはりテンポになるだろう。
ただ、テンポの概念は相対的なものなので、特にプールが限られるドラフトのデッキ構築において有効な物なのかは解らない。
いや。元々を考えれば、テンポはリミテッドに置ける戦闘を説明したものなのだから有効だと思う。
デッキ構築において重要なのは、卓の流れを読み、相手のデッキを想定してそれに対応可能なメインボードとサイドボードを用意する事。
結局は環境に存在するプールを理解するしか方法は無い。
ランダム対戦、シングルエリミネーションと言う形式で行われるMOのドラフトでは誰がどこに座っているかも解らないと言うのもあって、非常に難しいのだが。
何ともまとまり切らないが「マナカーブ」とはコストの分布を示す物。
それ単体では構築やゲームを説明しない概念である。
この事からマナカーブ自体が目的になるべきでは無いとは言える。
大切なのは、測られる対象であって、測るものさしそのものではない。
ただピック中や構築中に、そのデッキが果たして目的に合致しているかを判断する材料にはなる。
特にプールが不自由なリミテッドにおいては、それは顕著だと言える。
最終的に重要になるのは、与えられたプールの中で、できるだけ勝率の高い構築をするべきで、マナカーブよりもカードパワーが優先される事は当然有り得る。
ヤマショーさんがシールドのプールを見て「マナカーブと言う考えは嫌いなんですよね」と言って笑ったのが、少しだけ、理解できた気がした。
http://bastermtg.blog117.fc2.com/blog-entry-510.html
いよいよMOでもWWKが解禁間近!
僕は基本的に英語が読めないため、こう言った情報を和訳して下さるのは大変助かる。
いつもありがとうございますm(_ _)m
さて。マナカーブについて。
突然何をと思われるかも知れないが、DN内で、ゼンディカー環境のマナコスト毎の生物分布からマナカーブを考察されているエントリがあって、大変興味深かった。
特に、いつもドラフトをしている僕にとっては要チェックだ。
MTGは確率の影響下にあるために、自分が取った行動が正しいかどうかは、事後的にしか評価する事が出来ない。
でも誰もが全てを運命に差し出せる覚悟を持っている訳ではない。
むしろ失敗を恐れる。それを運だと割り切る事が出来ない。
だから確率の影響下にある事を意識すればするほど、それを認めたがらないほど、確かな(もしくは確かだと思える)理論を求めるのだとも言える。
僕は日常的に「マナカーブが・・・」とか「テンポデッキだから・・・」などと書いたり話したりしているが、いまいちその実体を理解しているとは言い難い。
マナカーブとは何か。
最初に頭に思い描くのは、毎ターンマナを使い切るために考案されたとされる「スライ」のマナカーブ。
ここから、マナカーブと言う言葉がテンポと言う言葉を想起させるのは自然だとも言える。
もっと広範の意味においてマナカーブとは以下の様に定義されるようだ。
マナカーブ(Mana Curve)とは、デッキに入っているカードのうち、呪文について、マナ・コスト毎のカード枚数をグラフにしたときに描かれるカーブのこと。Jay Schneiderが提唱した。
MTGWikiより引用。なんだか随分単純な概念だ。
これだけを見るとマナカーブに良いも悪いも無い。
マナカーブは、それ自身を目的とはしない。
ある目的を持って組まれたデッキが、果たしてその目的を達成するのに適しているのかどうかを判断するための概念だと言える。
だからデッキのマナカーブだけを取り上げて、そのデッキを判断する事は出来ない。
マナカーブ自身は、ただのマナコストの分布を示すものだからだ。
マナカーブと言う概念は、デッキに含まれる諸要素と一緒に判断して初めて意味があると言える。
例えば、序盤に戦力を展開して相手を圧倒する攻勢押し切り型のデッキは、迅速に脅威を用意するためにマナカーブ自体を低く抑える必要がある。
逆に序盤を耐えて後半に逆転をするタイプのデッキは序盤を耐えるためのカードと共に(重い=カードパワーが高いを前提として)後半用の重いカードも必要になるはずだ。
もしもマナカーブ自身に意味があるのだとしたら、2マナ2/2の生物が氾濫する環境においても3マナ2/2を使用する事が肯定されてしまう。この事は直感に反する。
この事からドラフトにおけるマナカーブを規定するのは、その環境に存在するプールだ。
この事はドラフトにおける優位な戦略を規定するのは、その環境に存在するプールだと言う事に等しい。
全く当たり前の事を言っているだけになってしまった。
例えば、ラヴニカ環境においては各種印鑑の存在と、ほとんどどの色の組み合わせにも存在した4マナ3/3の存在によって、いわゆる熊は採用され辛い環境だった。
(例外的にボロスカラーに積極的に採用された)
またモーフが氾濫し、使用可能なレベルのスペルが少なかったオンスロート環境において《栄光の探求者/Glory Seeker(ONS)》や《エルフの戦士/Elvish Warrior(ONS)》のインパクトは他の環境よりも大きい。
タイムスパイラルにおいて導入された待機。
帰ってきたエコーやマッドネスもそれぞれマナカーブを規定する存在だったと言える。
そしてゼンディカー環境。
ゼンディカー環境を支配するのは上陸であり、同盟者であり、単体強化型エンチャントであり、装備品であり、除去である。
この中でも特に上陸は攻撃時においてマナ効率が大きく跳ね上がる性質を有しており、果たして実際に行われる構築においてマナカーブが説明可能な領域がどれだけ残っているかと言う疑問もある。
攻勢押し切り形のデッキが《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator(ZEN)》を使うのは、ゲームの初期ライフが20だからであり、相手よりも自分のデッキがダメージ効率に優れると想定するからである。
仮に初期ライフが10だったらもっと使われるだろう。
防御的なコントロールデッキが《ニッサに選ばれし者/Nissa’s Chosen(ZEN)》や《クラーケンの幼子/Kraken Hatchling(ZEN)》を使うのは、相手が《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator(ZEN)》や《板金鎧の土百足/Plated Geopede(ZEN)》を使うからである。
マナカーブと言う概念が、マナコスト=性能とは一概には言えない、ゼンディカー環境やタイムスパイラルブロックではあまり有意に説明を行えないとしたら、他の概念で説明可能なのだろうか。
現状において、僕が持っている知識の中から有意な説明をするとしたら、やはりテンポになるだろう。
ただ、テンポの概念は相対的なものなので、特にプールが限られるドラフトのデッキ構築において有効な物なのかは解らない。
いや。元々を考えれば、テンポはリミテッドに置ける戦闘を説明したものなのだから有効だと思う。
デッキ構築において重要なのは、卓の流れを読み、相手のデッキを想定してそれに対応可能なメインボードとサイドボードを用意する事。
結局は環境に存在するプールを理解するしか方法は無い。
ランダム対戦、シングルエリミネーションと言う形式で行われるMOのドラフトでは誰がどこに座っているかも解らないと言うのもあって、非常に難しいのだが。
何ともまとまり切らないが「マナカーブ」とはコストの分布を示す物。
それ単体では構築やゲームを説明しない概念である。
この事からマナカーブ自体が目的になるべきでは無いとは言える。
大切なのは、測られる対象であって、測るものさしそのものではない。
ただピック中や構築中に、そのデッキが果たして目的に合致しているかを判断する材料にはなる。
特にプールが不自由なリミテッドにおいては、それは顕著だと言える。
最終的に重要になるのは、与えられたプールの中で、できるだけ勝率の高い構築をするべきで、マナカーブよりもカードパワーが優先される事は当然有り得る。
ヤマショーさんがシールドのプールを見て「マナカーブと言う考えは嫌いなんですよね」と言って笑ったのが、少しだけ、理解できた気がした。
コメント
自分はお互いにターンを1回ずつ消費しあうMTGというゲームにおいて、毎ターンできるかぎりの行動を取ることがゲームに勝つための一つの方法、という意味でテンポやマナカーブを気にするという考え方はけっこう好きです。
もちろん、どのような形が理想であるか、はプールに左右されると思いますが、基本は1対多数交換かつ手札をできる限り有効に使ったほうが有利であると思っています。
Zen環境において言えば、上陸による生物やスペルの疑似的なマナジャンプアップ(←変な言い方ですねw)が勝敗に直結してしまう環境ですので、特に2~3マナ域の攻防、テンポが大事なのでは。
ただ、数値などの解析などはめんどくさがりで感覚でものを言ってしまうのは自分の悪い癖。wwkが出る前にその辺もやりたいなぁなんて考え中です。
と、まとまりも悪い駄文ですが、失礼いたしましたw
こんにちは。
>マナカーブやテンポ、普段なにげなく使っている言葉ですが、いざ整理しようと思うと非常に大変ですね。
そうですね。
しかもこう言う言葉は意味が広い場合があって、誤解の元になったりします。
例えば普段の僕が「マナカーブ」と言う時は「スライのマナカーブ」を暗黙に想定している訳ですが、ドラフトやシールドのデッキに対してそれを使う時は単に「若干重過ぎる/または軽すぎる」と言うニュアンスで使ってしまったりします。
今回のエントリもひとつの「マナカーブ」と言う言葉が場面によって違う意味で使われていたり、違う意味で解釈される可能性があり、言葉にするのは難しいなぁと思いました。
MTGで使われている概念や理論は、MTGで実際に起こる事象を説明したり、理解する助けになるか否かで価値が決まると思っています。
今回のエントリの出発点になったのは《板金鎧の土百足/Plated Geopede(ZEN)》でした。
一般的に使われる(と思われる)「マナカーブ」は2マナの生物より3マナの生物が優れていると暗黙に規定しています。
ですが《板金鎧の土百足/Plated Geopede(ZEN)》はそれに当てはまりませんでした。
2t目《板金鎧の土百足/Plated Geopede(ZEN)》3t目《板金鎧の土百足/Plated Geopede(ZEN)》と動く方が、
2t目《板金鎧の土百足/Plated Geopede(ZEN)》3t目《地獄火の雑種犬/Hellfire Mongrel(ZEN)》と動くよりダメージ効率が優れています。
これは《板金鎧の土百足/Plated Geopede(ZEN)》に限った事ではなく、ゼンディカーの上陸持ちのほとんどに言える事であり
>特に2~3マナ域の攻防、テンポが大事なのでは。
と言う感覚は正しいと思いますし、その原因を上陸に求めるのも正しいと思います。
今回のエントリは特にまとまりがありませんでしたが、概ね上記が言いたい事でした。
Fの人さんのお陰でもう一度まとめ直す事ができました。感謝です^^
>数値
感覚を数字に置き換えると議論がやりやすくなったり、新しい発見があるかも知れません。
個人的にはオススメです。