先日開催されたworldchanpionshipのドラフトビュアーをチェックしてみた。
やはり人によっては僕が思いもよらない・・・と言うのは言い過ぎだが、斜め上を行くピックをしている。

僕が受け取っている情報と、上辺は全く同じだが彼らの見ている世界はより深く、より正確なのだろう。
ドラフトもスタンダードとは違う方向性かも知れないが、だんだんと進化し、ピック方法やデッキ構築も変わっていく。
出来るだけ情報が新鮮な内に考察を加えてみたい。
実際に彼らと話をして、どの様に考えピックを行い、自身の行ったピックをどう評価するのかを聞いてみたい。

叶わない願いなのだけれど。

叶わないと嘆くより、出来る事を実際にやった方が何倍も良い。

と言う訳で下記が今回のピック譜である。
http://sky.geocities.jp/wenmin0624/11-26-20091.html

前回に引き続き、今回も出来るだけ広く取り、空いている色をドラフトする事を意識する。
実を言えば、無理して卓をぐちゃらせているだけと言う説もある。
シェフの気まぐれピックコースである。

1pack目初手は《刃牙の猪/Bladetusk Boar(ZEN)》から。

候補としては1pack内に2枚あるものの《見栄え損ない/Disfigure(ZEN)》
《ベイロスの林壊し/Baloth Woodcrasher(ZEN)》だろうか。
特に《ベイロスの林壊し/Baloth Woodcrasher(ZEN)》は《捕食者の衝動/Predatory Urge(ZEN)》が1周する可能性があり、非常に魅力的だ。

最終的な判断としては、緑はpack内に濃い為、早期参入を避け、黒も同様の理由で見送った。
《マグマの裂け目/Magma Rift(ZEN)》から赤に入られる可能性はあるが、それは緑を選んでも黒を選んでも一緒。
下家を意識しないならば《ベイロスの林壊し/Baloth Woodcrasher(ZEN)》が安定だったかも知れない。

2手目
いつもなら赤継承の《マグマの裂け目/Magma Rift(ZEN)》だが、あえて《墓所の切り裂き魔/Crypt Ripper(ZEN)》を。
あれ・・・?初手で黒を流した理由は?

3手目
《砕土/Harrow(ZEN)》
《ニッサに選ばれし者/Nissa’s Chosen(ZEN)》
《尖塔の連射/Spire Barrage(ZEN)》
《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire(ZEN)》
《コーの奉納者/Kor Sanctifiers(ZEN)》
あたりが候補だが、《ニッサに選ばれし者/Nissa’s Chosen(ZEN)》を。
あれ・・・?初手で緑を流した理由は?

4手目
《冒険者の装具/Adventuring Gear(ZEN)》

5手目
《石造りのピューマ/Stonework Puma(ZEN)》

6手目
緑が濃い中から《変わり樹のバジリスク/Turntimber Basilisk(ZEN)》
どうやら緑が空き気味。

7手目
序盤がっちり、後半大物連打の緑を目指して《溶鉄の荒廃者/Molten Ravager(ZEN)》
正直、デッキの完成度が高ければ抜けていくパーツではある。

8手目も同様に。

運命の9手目だが何も収穫なし。
卓に緑が多いのか、単にカットされたかは微妙なところである。

12手目はクリックミス。《巨森を喰らうもの/Vastwood Gorger(ZEN)》が本当は欲しかった。

さてはて、前回以上のぼんやりピックである。

1pack目が終わって赤/黒/緑を均等にとっている状態。
僕の考えとしては6手目の緑の濃さを信じて、他に緑がいても後1人だと決め付ければ後々の方針が立ってくる。
赤/黒は人気カラーだけあって、特に黒の人数が少ないとはどうにも思えない展開である。

2pack目初手は上記の理由を反映して《リバー・ボア/River Boa(ZEN)》を。
正直に危険な賭けだった。
ただ、今までピックしてきた赤には魅力的な物は少ない。
ここから勝てるデッキに仕上げるにはある程度の決断が必要だと思った。
・・・この状況に追い込んだのが自分自身だと思うと奇妙な話だが。

2手目
下家の選択した色が大幅に絞られる。
少なくともメインでの白/青/赤/緑は考えにくく、アンコモンが強力な黒、もしくは下家の初手が《生きている津波/Living Tsunami(ZEN)》クラスの青かと言った所。

僕はそれを受けて《噴出の稲妻/Burst Lightning(ZEN)》を。
《大木口の幼生/Timbermaw Larva(ZEN)》や《領地のベイロス/Territorial Baloth(ZEN)》でなかったのは緑単が現実的な選択肢としては有り得ないと考えたからだ。
2PACK目初手で《噴出の稲妻/Burst Lightning(ZEN)》を流しているが、これは下家の意向を伺うため。
自分の所為とは言え、結果的に1pack目がほぼ死んでいる状態のため、下家の存在と上家の存在は、ほぼ同じ程度の重さだと考えなければならない。

以降はほぼ緑単ピック。
7手目《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》
9手目《砕土/Harrow(ZEN)》
10手目《領地のベイロス/Territorial Baloth(ZEN)》
13手目《緑織りのドルイド/Greenweaver Druid(ZEN)》
と非常においしい。

やはり8-4はシングルエリミネーションと言う背景から、各々が3-0できるデッキを構築しようとする。
そのため、卓内の不人気色のカットは積極的に行われないのだろう。
world以降、緑が再評価へと向かう流れの中ではあるが、この卓では不人気だった。

3pack目初手は《噴出の稲妻/Burst Lightning(ZEN)》から。
以降は赤緑ピックを継承。
決して強くは無いが、何とか形になった。

MO 8-4 GR Deck

《森/Forest(ZEN)》12
《山/Mountain(ZEN)》5
《カザンドゥの隠れ家/Kazandu Refuge(ZEN)》1

《リバー・ボア/River Boa(ZEN)》1
《ニッサに選ばれし者/Nissa’s Chosen(ZEN)》2
《石造りのピューマ/Stonework Puma(ZEN)》1
《緑織りのドルイド/Greenweaver Druid(ZEN)》1
《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》1
《変わり樹のバジリスク/Turntimber Basilisk(ZEN)》1
《カビのシャンブラー/Mold Shambler(ZEN)》2
《刃牙の猪/Bladetusk Boar(ZEN)》1
《領地のベイロス/Territorial Baloth(ZEN)》1
《巨森を喰らうもの/Vastwood Gorger(ZEN)》3

《原初の怒声/Primal Bellow(ZEN)》1
《噴出の稲妻/Burst Lightning(ZEN)》2
《冒険者の装具/Adventuring Gear(ZEN)》1
《探検者の望遠鏡/Explorer’s Scope(ZEN)》1
《砕土/Harrow(ZEN)》1
《野蛮な影法師/Savage Silhouette(ZEN)》2

前回/今回と大幅にやり方を変えて得た物は、1pack目がぐちゃってもデッキにはなると言う実証(今まではプールから見た理論だけだった。)
広く取る事と、ぐちゃった取り方は違うと言う認識。
これはやる前から持ってなくちゃいけないのだが、いかんせん認識が足りなかった。
無理に色を絞る事をしなかったお陰か、流れが良い色が解りやすく、それに乗る事が出来たのは収穫だった。

今後は今回の様な極端なピックはしないだろう。
上家優位をほぼ放棄するに等しい行為だし、ぐちゃる時は勝手にぐちゃるのでその時に対応すれば良い。
無理にぐちゃっても良い事はない。
と言う訳で次回からは無茶なピックはしない方針で。
意図せずぐちゃってしまったら、その時は臨機応変に。

ちなみに卓配置は以下の通り。

緑タッチ赤 ← 僕
青黒白
黒青タッチ白 同盟者
青黒
青赤
白緑
赤黒
赤黒

下家は僕の無茶ピックを上手く回避して、恐らく1pack目2手目の《見栄え損ない/Disfigure(ZEN)》から黒路線。
卓内の黒と/青人数が多すぎた為の白導入だろうか。
見た目均等3色だった。

緑は幸運にも卓に2人。
上家と上々家が赤黒と赤の流れは厳しいが自分のpack内の赤が強かったのに救われた。

1戦目 青黒
GAME1
相手先手。2t目の《血の求道者/Blood Seeker(ZEN)》からスタート。
こちらも1t目《探検者の望遠鏡/Explorer’s Scope(ZEN)》
2t目《ニッサに選ばれし者/Nissa’s Chosen(ZEN)》
3t目《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》と良いまわり。

4連続青の流れに飲まれたの所為なのか、青を使っていながら飛行は《空の遺跡のドレイク/Sky Ruin Drake(ZEN)》くらいしか見ず、《血の求道者/Blood Seeker(ZEN)》にライフを削られながらも、《探検者の望遠鏡/Explorer’s Scope(ZEN)》で供給され続けた《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》で回復し、《巨森を喰らうもの/Vastwood Gorger(ZEN)》につなげて勝ち。

GAME2
相手先手。またも2t目《血の求道者/Blood Seeker(ZEN)》スタート。
こちらも2t目《ニッサに選ばれし者/Nissa’s Chosen(ZEN)》
3t目《リバー・ボア/River Boa(ZEN)》の良いまわり。
《野蛮な影法師/Savage Silhouette(ZEN)》をつけた《ニッサに選ばれし者/Nissa’s Chosen(ZEN)》が《麻痺の掌握/Paralyzing Grasp(ZEN)》されるが《カビのシャンブラー/Mold Shambler(ZEN)》で対処し、攻勢をかける。

その後《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk(ZEN)》が出てくるも《噴出の稲妻/Burst Lightning(ZEN)》キックで対処して勝ち。

卓配置的に相当辛かったのではないだろうか。

2戦目 赤黒
相手先手。2t目の《高地の狂戦士/Highland Berserker(ZEN)》スタート。
こちらも2t目《ニッサに選ばれし者/Nissa’s Chosen(ZEN)》でがっちり。
2マナ域が不足しているのに良く出てきてくれる。

その後《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》を展開するが、逆に追加できたのはそこまでで、《野蛮な影法師/Savage Silhouette(ZEN)》で粘るが《放牧の林鹿/Grazing Gladehart(ZEN)》は《尖塔の連射/Spire Barrage(ZEN)》され、《ゴブリンの近道抜け/Goblin Shortcutter(ZEN)》でブロッカーをどかされて負け。

GAME2
こちら先手。3t目に《緑織りのドルイド/Greenweaver Druid(ZEN)》から。
4t目に《領地のベイロス/Territorial Baloth(ZEN)》
5t目に《野蛮な影法師/Savage Silhouette(ZEN)》を再生マナを残しつつ《領地のベイロス/Territorial Baloth(ZEN)》に。
相手の色的に対処できず勝ち。

GAME3
相手先手。
1t目《血の長の昇天/Bloodchief Ascension(ZEN)》
2t目《墓所王の探索/Quest for the Gravelord(ZEN)》と言う展開。
しかし、生物を展開できない様子。
生物が展開されなければ上記の2枚も置物な訳で、割と楽にマナが伸ばせて《巨森を喰らうもの/Vastwood Gorger(ZEN)》を連打して勝ち。

そのまま無事SPLIT。
前回/今回と卓がぐちゃっていた為、僕のデッキが弱くても何とかなった。
それに加えて、ものすごく重いデッキだったのに事故を起こさず、マナ加速をきちんと出来て理想の展開だったのは運が良かった。

今回はプレイについても十分展開を考慮した上で動けた点も良かった点か。
相手のマナの残し方から以降の展開を読み、ある程度それが予測通りだったのでいつもより《野蛮な影法師/Savage Silhouette(ZEN)》が強く使えた気がする。

と言う訳で僕の奇妙なピックもひとまずは終了。
今回、強引に取り方を変えたお陰で見えてきた事もある・・・気がする。
後はこの経験が生きるかどうかだ。

コメント

toshiya k
2009年11月27日13:03

平日は一切ドラフトできないので、いつも楽しみに読ませてもらってます。(少なくともドラフトした気分にはなれる・・・)

1パック目を広くうけて・・・という成功事例は私の中になかったので、参考になります(^_^)。うまく掲載できたら、私もピック譜公開をやってみたいと思います。

ご健闘を!!

bun
2009年11月27日18:29

そう言ってもらえると嬉しいです^^

今回のピックは、広く受けようとした…と見せかけて普通にぐちゃってしまいましたw
1PACK目の初手とそれに続く2手目、3手目が余りにちぐはぐ過ぎて,
赤面の至りです。
ですので成功例かと言うと、ちょっと…ですw

ピック中はとにかく必要な枚数を取る事に必死でしたが、デッキ構築の段階で、昨日 toshiya kさんにアドバイスして頂いた「上手く行かなかった時に、どう誤魔化すか」や、まつがんさんが仰っていた「中途半端な緑は駄目」と言う意見に思い至り、生物枚数14枚ながら、装備品2枚、単体強化3枚、なおかつ《巨森を喰らうもの/Vastwood Gorger(ZEN)》3枚を投入し「上手く回れば勝つ」と言うクレイジーチューンを断行しました。
結果的にこれが運良く成功したのだと思います。

正直、皆様に頂いているアドバイスを正しく解釈して、消化出来ているかは解りません。
しかし、以前の僕なら形ばかりのマナカーブに囚われたり、生物枚数が少ないからとスペックの低い生物を採用し、典型的な「良く回っても勝てない」と言うデッキを構築していたと思います。
皆様のお陰で、少しですが成長出来たのかな?と感じました。

toshiya kさんのピック譜公開お待ちしております^^
bun

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